1998 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌における遺伝子変異と臨床的所見との関連の解析
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09771200
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
盛 和行 弘前大学, 医学部, 助手 (40266903)
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Keywords | 膀胱癌 / BCG / テロメラーゼ |
Research Abstract |
本研究は、膀胱癌の標本をもとにした基礎的解析により、その臨床的所見との関連を検討することで、診断、治療に一定の指針を与えることを目的としている。細胞の不死化に関与するテロメラーゼ活性の検出は、腫瘍の存在を直接示唆し、診断に有効な方法であることから、TRAP法-ELISA法による膀胱洗浄液中剥離細胞を用いたテロメラーゼ活性の測定を行った。また、BCGの直接的効腫瘍効果とテロメラーゼ活性の関連についても検討した。 経尿道的膀胱腫瘍摘出術(TUR-Bt)後のBCG膀胱注入療法時に、膀胱洗浄液から剥離細胞を採取し、テロメラーゼ活性のモニタリングを行い、再発の有無を追跡した。15例中5例でBCG注入3回目以降もテロメラーゼ活性の高値を認め、そのうち3例では実際に臨床的に再発が確認された。現在膀胱癌の診断には尿細胞診が広く用いられ、また、BTAテストなどのキットが市販されているが、これらはlow grade low stageでは検出率が低い。しかし、本法ではlow grade、low stageでも十分に活性を検出できた。膀胱洗浄液中剥離細胞を用いたテロメラーゼ活性の測定は、治療の有効性を確認し、さらに再発の危険性を予測することが可能であり、診断に有用な方法であることが立証された。 ヒト膀胱癌細胞株を用いたin vitroの解析では、BCGは直接的抗腫瘍効果を示し、その作用機序としてテロメラーゼ活性を低下させることが明らかとなった。今後臨床的に症例を追加し、さらにBCGの効果を作用機序の面から解析することにより、基礎的な知見、臨床的指針を得ることができるものと思われる。
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