1997 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌増殖に対するエストロゲンレセプターの関与の検討
Project/Area Number |
09771231
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀口 明男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20286553)
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Keywords | 前立腺癌 / エストロゲンレセプター / 細胞増殖 |
Research Abstract |
前立腺癌細胞の増殖にエストロゲンが如何に関与するかを解明する目的で、前立腺癌細胞におけるエストロゲン受容体αおよびβ(ER-α,ER-β)の発現を検討した。研究の始めとしてまず、既にER-α発現細胞として確認されている乳癌細胞株MCF-7と、ER-β発現が示唆されている骨細胞株HOS-TE85を用いてreverse transcriptase polymerase chain reaction(RT-)PCR southern法による細胞におけるmRNAの発現を検討した。PCRprimerとしては、ER-αは2種類、ER-βは3種類を使用した。MCF-7細胞においてはER-αのmRNAの発現が確認されたが、HOS-TE85細胞においてはRT-PCRによっても明らかな特異的bandの確認はできなかった。 一方、ER-βの検討ではMCF-7、HOS-TE85細胞ともに、いずれのprimerを用いてもコードされるER-βの特異的なmRNAの発現が確認され、PCR産物のDNA断片における塩基配列を検討した結果、これがER-α、ER-βである確証を得た。 以上の基礎的検討によるER-α、ER-βのmRNA発現の手技的確立を行った後、前立腺癌細胞株であるLNCaP、PC-3、DU-145におけるER-α、ER-βの発現を検討した。PC-3、DU-145においてはER-α、ER-βともにその発現が認められなかったが、LNCaPにおいてはER-α、ER-βのmRNAの発現が明らかであった。このPCRproductにおけるdirect sequence法によりその塩基配列を決定するとwild typeのER-α、-βと相異を認めなかった。またLNCaPはestrogenの添加によりその増殖性が亢進することより、前立腺癌細胞においては、ER-α、-βが存在し前立腺癌細胞の増殖性に関与していることが示された。
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