1997 Fiscal Year Annual Research Report
Thrombospondinを用いた腎細胞癌の治療
Project/Area Number |
09771233
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊地 栄次 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10286552)
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Keywords | 腎細胞癌 / Thrombospondin / Fumagillol |
Research Abstract |
Thrombospondin(TSP)ならびにo-chloroacetylcarbamoyl(fumagillol;TNP-470)は血管内皮細胞の増殖を抑制することが報告されている。最近では、メラノーマや肺癌を用いたin vivoの実験において、TNP-470は抗癌剤の効果を増強することが示唆されている。本研究では、腎細胞癌細胞株(KU-2ならびにCaki-1)を対象として、TSPおよびTNP-470の抗腫瘍効果につき検討した。96 well microplateに1x10^5個のKU-2ならびにCaki-1細胞をまき、24時間preincubationの後TSPおよびTNP-470の存在下に72時間培養した。抗腫瘍効果は、蛍光光度測定法により測定した。0.1、1、10、100、1000ng/ml濃度のTSPのKU-2およびCaki-1に対する抗腫瘍効果はそれぞれ1.6%、10%、9.1%、11%、5%および-0.2%、1.8%、3%、-2.2%、0.6%であった。一方、10、10^2、10^3、10^4、10^5ng/mg濃度のTNP-470のKU-2およびCaki-1に対する抗腫瘍効果はそれぞれ3.1%、8.7%、0.8%、6.7%、99.1%および-4.5%、12.9%、14.8%、32.2%、98.4%であった。KU-2に対する10^2、10^3、10^4、ng/ml濃度のMMCの抗腫瘍効果はそれぞれ8.8%、28.9%、98.6%でり、10^4ng/ml濃度のTNP-470存在下に培養したとき、TNP-470単独に比べてMMCを併用した時の抗腫瘍効果はそれぞれ13.2%、51.0%、98%であった。これらの結果より、TNP-470の腎細胞癌細胞に対する抗腫瘍効果が示唆され、さらには抗癌剤の抗腫瘍効果を増強しうる可能性が示唆された。
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