1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771238
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
三井 健司 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20268014)
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Keywords | 電撃化学療法 / 腎細胞癌 / ブレオマイシン |
Research Abstract |
(目的)電撃化学療法という新しい癌治療法が注目されている。これは、腫瘍に高圧パルス波を通電し癌細胞に細孔を生じさせ投与された抗癌剤の取り込みを増加させ抗腫瘍効果を高めるものである。抗癌剤に対し反応性の乏しい腎細胞癌を選び、担癌マウスにおいて電撃化学療法による各種抗癌剤の抗腫瘍効果を検討した。(方法)ヌードマウス皮下に、CCF-RC-2(腎癌細胞)を移植し、腫瘍径が6-8mmになったところで、使用薬剤(BLM,5-FU,MMC)を各々LD_<50>の1/10を腹腔投与し(D+)、投与30分後麻酔下に電極を腫瘍の両側に刺入し1000V/cm,約100μsecで8回パルス波を負荷した(E+)。薬剤投与電圧負荷群(D+,E+)、電圧負荷単独群(D-,E+)、薬剤投与単独群(D+,E-)、未処理群(D-,E-)の4群に分け、各群5匹ずつとし隔日で腫瘍サイズを計測した。また、BLM投与群に於いては投与濃度をLD^<50>の1/100、1/1000にても抗腫瘍効果を検討した。さらに、BLM投与電圧負荷群に於いては腫瘍組織内BLM濃度をBio-assay法にて測定、また病理組織学的検討も行った。(結果)BLM LD^<50>の1/10投与に於いての(D+,E+)群は、施行4日には腫瘍は消失し完全な消退が10日目までつづいた。腫瘍は11日目に再び出現してきたが、腫瘍増殖は20日目に於いても、施行初日のサイズの47.8%にとどまっており、十分な腫瘍サイズの抑制が観察された。(D+,E-)群や(D-,E-)群は、(D-,E-)群と比して抗腫瘍効果は認められなかった。BLMに於ける電圧負荷群においてLD_<50>の1/100、1/1000でも抗腫瘍効果を認めた。他の抗癌剤では、電圧負荷においても(D-,E-)群との差は認められなかった。BLM投与電圧負荷群は、BLM投与単独群に比して腫瘍組織内BLM濃度の上昇が認められた。さらに、BLM投与電圧負荷群では腫瘍のアポトーシス様変化が認められた。(結語)ヌードマウス移植腎腫瘍に於いて、BLM投与電圧負荷群で抗腫瘍効果が認められた。
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