1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771240
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
河 源 関西医科大学, 医学部, 助手 (10268344)
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Keywords | 精細管 / 酸性化 / アクロゾーム / 液胞型プロトンATPase / 精子細胞 / 免疫組織化学 / 免疫電顕 |
Research Abstract |
精子アクロゾームの内腔酸性化に、液胞型プロトンATPaseが関与しているか否かについて、性成熟期のラット精細管における液胞型プロトンATPaseの局在を、免疫組織学的に観察した。光学顕微鏡下においては、精細管の多様な細胞群の内、減数分裂後、初期過程にある精子細胞において強い反応がみられた。またその細胞内局在は、核の一部に接するような形でみられた。この時期の精子細胞は、アクロゾーム形成の始まりであり、液胞型プロトンATPaseの反応が強く認められたことは、アクロゾーム内腔酸性化に大きく関与していることが示唆された。次に、イムノゴールド法による免疫電子顕微鏡的に、精子細胞におけるより詳細な細胞内局在を検討した。その結果、アクロゾーム外膜上と、発達したゴルジ装置トランス面とアクロゾームの間に多くの反応が見られた。アクロゾームの形成過程とともに、液胞型プロトンATPaseが発現し、アクロゾーム内腔にプロトンを取り入れるように機能していると考えられた。 平成10年度においては、精子細胞のうち、特にとの段階において液胞型プロトンATPaseが発現、機能しているのかを、生化学的手法を加え、さらに詳細に解析する予定である。また、並行して、液胞型プロトンATPaseに対する特異的阻害剤が、アクロゾーム内腔酸性化にどのような影響を及ぼすかを検討する。
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