1997 Fiscal Year Annual Research Report
新しい腎エタクリン酸感受性クロライドATPaseの局在と性質
Project/Area Number |
09771241
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
土井 浩 関西医科大学, 医学部, 助手 (60227692)
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Keywords | Cl^--ATPase / クロライドポンプ / 集合管 / 腎臓 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1.抗原(Cl^-依存性ATPase)蛋白の精製と抗体作製 ラット脳由来の520kDaの精製Cl^--ATPase蛋白を家兎に免疫して、抗Cl^--ATPase抗体を作製した。この抗体は、脳および腎由来のEDTA処理形質膜画分のATPase活性を阻害し、精製Cl^--ATPaseのSDS-PAGE,Western blotting後に、51kDaペプチドを認識した。 2.免疫組織化学 この抗Cl^--ATPase抗体を用いて、ラット腎組織切片上でのCl^--ATPase蛋白の局在を、尿細管基底側細胞膜のNa^+,K^+-ATPaseおよび集合管主細胞管腔側のAquaporin(AQP2)の局在と比較して観察した。その結果、Cl^-ATPase蛋白は、腎皮質および髄質の集合管間在細胞の基底膜側細胞膜に局在することが明らかになった。 3.腎Cl^--ATPase活性の検出 ラット脳Cl^--ATPase活性の検出法を用いて、5mMウアバイン・2mMアジ化ナトリウム存在下に、腎Cl^--ATPaseのエタクリン酸の感受性を調べた。その結果、エタクリン酸は、腎Cl^--ATPase活性を、脳Cl^--ATPase活性と同様に、濃度依存的に、Cl^--ATPase活性を阻害し、0.3mMでほぼ完全に阻害すること確認した。最大活性は、およそ30mMのCl^-濃度で認められた。今後、ヒト腎Cl^--ATPaseの性質の研究に向かい、詳しく探求したい。
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