陣痛誘発剤の子宮平滑筋細胞間結合並び収縮活性同期性への関連機構の電気生理学的解明

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09771253
• Research Institution: Yamagata University
• Principal Investigator: 酒井 伸嘉 山形大学, 医学部, 助手 (50241708)
• Keywords: 子宮平滑筋 / ギャップ結合 / 収縮活性同期性 / 子宮収縮促進剤

Research Abstract

非妊時、妊娠後期ならびに分娩時ラットから子宮縦走筋新鮮標本を作成し、酸素飽和のKrebs液を満たしたガラス容器内に糸で吊り下げ、その自発ならびにoxytocinにて誘発された等尺性収縮をMacLabにて解析した。その結果、同一標本の近接する部位の自発収縮を同時記録では非妊時や妊娠後期ラット標本に比べて分娩時のそれで収縮活性の同期性が上昇していた。また、非妊時や妊娠後期に比べて分娩時では筋標本幅を変えても収縮期間(duration)の変化が少なくなっており、これからも分娩時で収縮活性がより同期していることが示唆された。これらの妊娠期間別における自発収縮の差異はoxytocin誘発によってもさほど変化なく、子宮収縮活性の同期性には収縮活性自体を促進する薬剤性の影響よりは、子宮平滑筋細胞における妊娠・分娩に伴う形態的変化(ギャップ結合の出現)や生理的変化がより重要に関与していることが推測された。