1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771259
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木村 昌由美 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40216859)
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Keywords | 更年期 / 睡眠障害 / ホルモン / サイトカイン / コロニー刺激因子 / エストロゲン |
Research Abstract |
閉径が近づくにつれて経験される症状として、顔面紅潮、悪寒、頭痛、過敏、うつ病を更年期障害として含めているが、不眠症や骨粗鬆症なども更年期に関連しておこる障害として認められつつある。一般に、不眠症をはじめとした睡眠障害はストレスなどが原因と考えられやすいが、更年期に生じる睡眠障害には卵巣ホルモン分泌の低下に由来するホメオスタシスの乱れが要因とのみかたもある。骨粗鬆症の場合には、血中エストロゲンの減少によって骨代謝を調節する末梢サイトカイン量のバランスが崩れる。したがって、エストロゲンの影響を受けるサイトカイン産生が更年期の睡眠障害にも関連すると仮定し、本研究では動物実験にてその可能性を調べた。 1.造骨に関係し更年期に減少するサイトカインとして顆粒球/マクロファージ-コロニー刺激因子(GM-CSF)、ならびにマクロファージ-コロニー刺激因子(M-CSF)の睡眠に対する作用を検討した。これらを雄ラット脳室に投与すると(それぞれ10^<-11>M用量)、GM-CSFは夜間のノンレム睡眠(25%増)およびレム睡眠(156%増)を有意に増加し、一方M-CSFはレム睡眠のみを増加させた(58%増)。今後は、骨を溶かす因子と考えられているインターロイキン6の睡眠阻害効果について検討したい。 2.細菌内毒素(リポポリサッカライド)の腹腔投与によって刺激される各種サイトカイン産生量ならびに発熱・睡眠量の変化が、エストロゲンの補充投与によってどう影響されるかを、連続発情している中年期雌ラットおよび卵巣摘出した若い雌ラットを用い比較した。サイトカイン量と睡眠変化については現在検討中であるが、発熱作用についてはホルモン補充を受けた雌で有意となり、エストロゲンが枯渇した状態では炎症性サイトカインの産生が乏しく免疫活性はあまり上昇しないことが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] McLay,R.N.: "Granulocyte-macrophage colony-stimulating factor crosses the blood-braiin and blood-spinal cord barriers." Brain. 120. 2083-2091 (1997)
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[Publications] McCann,S.M.: "Role of leptin in hypothalamic-pituitary function." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 94. 11108-11108 (1997)
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[Publications] Kimura,M.: "A novel somnogenic cytokine : granulocyte-macrophage colony-stimulating factor (GM-CSF)" Soc.for Neurosci.Abst.23. 792-792 (1997)
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[Publications] Kimura,M.: "Granulocyte-macrophage colony-stimulating factor supresses LHRH release mediated through nitric oxide." Neuroimmunomodulation. (1998)
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[Publications] Kimura,M.: "Oxidzed glutathione promotes sleep in rabbits." Brain Res.Bull.(1998)
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[Publications] McCann,S.M.: "Nitric Oxide controls the hypothalamic-pituitary response to cytokines." Neuroimmunomodulation. 4. 98-106 (1997)
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[Publications] 木村 昌由美: "現代のエスプリ-睡眠-その生理心理と障害の治療" 至文堂, 204 (1997)