1997 Fiscal Year Annual Research Report
β3アドレナリン受容体遺伝子多型による成人病発症予知の有用性の検討
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09771260
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
倉林 工 新潟大学, 医学部, 助手 (80234540)
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Keywords | β3アドレナリン受容体 / 遺伝子多型 / 高脂血症 / 肥満 / 内蔵脂肪 / ラット / アゴニスト / エストロゲン |
Research Abstract |
β3アドレナリン受容体(AR)は、新生児の褐色細胞や成人の内蔵脂肪に多く認められ、エネルギー消費や体脂肪分布に関与するといわれている。1995年にβ3ARの遺伝子異常が、肥満、糖尿病の早期発症などに関与する報告があり。初年度である平成9年度は、β3AR agonist投与(理論的には肥満の予防となるはず)のラットモデルを作成し、肥満に対する治療薬としてβ3AR agonistの有用性についての基礎的検討を行った。 8週齢のメスSDrat20匹を5匹ずつ、(1)卵巣摘出群(OVX)、(2)卵巣摘出+β3ARagonist(BRL35135)投与群(OVX+BRL)、(3)偽手術群(Sham)、(4)偽手術+β3ARagonist投与群(Sham+BRL)の4群にわけ、自由摂食にて3週間飼育後屠殺し、体重、体脂肪、血清脂肪、レプチンなどについて測定した。体重はOVX=OVX+BRL>Sham=Sham+BRLであり、体脂肪量はOVX>Sham>Sham+BRL=OVX+BRLとなった。血清総コレステロールはOVX>OVX+BRL=Sham=Sham+BRLに対し、中性脂肪はOVX>Sham>Sham+BRL=OVX+BRLであった。同様な実験を4群間の摂食量一定にして再検すると、体重は同様な傾向だが、総コレステロールは4群間に有意差なく、体脂肪量と中性脂肪はSham>Sham+BRL=OVX>OVX+BRLとなった。結論:(1)エストロゲンの欠乏は、体重と血清総コレステロール・中性脂肪の有意な増加ををたらす。しかし、摂食制限により、エストロゲン欠乏の影響を防ぐことが可能である。(2)エストロゲンの有無および摂食量に関わらず、β3ARagonistは体脂肪量と中性脂肪を減少させる。すなわち、閉経後婦人の肥満防止のためには、エストロゲンの補充、食事制限、さらに将来的にはβ3ARagonistの臨床応用が重要と考えられる。 平成10年度は、日本におけるβ3ARの遺伝子型の頻度および体重、血圧、血清脂質、骨密度、生殖能などの臨床的パラメーターへの関与の疫学的研究をすすめる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kurabayashi et-al.: "Effect of long-term hormone replacement therepy on bone in Ovariectomized Women with cancer" International Journal of Gynecology and Obstetrics. (in press). (1998)
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[Publications] Y.Tojo et-al.: "Bone structural and metabolic changes at the end of pnegnancy and lactation in rats" American Hournal of Obstetrics and Gynecology. 178(1). 180-185 (1998)
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[Publications] Y.Yamamoto et-al.: "Effects of Progeotins on the metabolism of cancellous bone in aged oophorectomized rats" Bone. (1998)
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[Publications] 倉林 工 他: "閉経後骨粗鬆症の診断と治療" クリニカ. 25. 36-41 (1998)
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[Publications] 富田 雅俊 他: "地域住民の骨粗鬆症検診の現況" 日本産科婦人科学会雑誌. 49. 179-184 (1997)
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[Publications] 倉林 工 他: "最新 骨粗鬆症:卵巣機能不全と骨粗鬆症" ライフサイエンス出版(印刷中), (1998)