1997 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌治療における抗癌剤の作用増強を目指した基礎的研究
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09771270
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 知光 名古屋大学, 医学部, 助手 (70252236)
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Keywords | 婦人科癌 / 抗癌剤 / 分化誘導 |
Research Abstract |
今年度に行った研究により以下の結果が得られた。 1.分化誘導物質の卵巣癌細胞株に対する増殖抑制効果の検討 分化誘導能を持つ物質としては、レチノイン酸とその誘導体、ビタミンDとその誘導体、vesnarinなどが知られている。以前われわれは、レチノイン酸のみが絨毛癌細胞株に対して増殖抑制効果を有することを見い出しており、その時に用いた濃度で今回は3種の卵巣癌細胞株について同様の実験を行った。MTT assayにより検討したが、増殖抑制、促進効果とも認められず、レチノイン酸に対する反応の細胞種による差異の存在が明らかとなった。 2.癌組織でのFas抗原の発現 フローサイトメトリーを用いた以前のわれわれの検討により、卵巣癌細胞株では絨毛癌細胞株と比較してFas抗原の発現率が高いことが明らかとなっている。同様の現象が癌組織においても見られるかどうかを調べるために、その予備実験としてまず細胞株を使って免疫、組織学的に検討を行った。細胞の固定条件により染色性にかなりの差が認められ、今後さらに至適条件を検討する必要があると思われた。一方、Fas抗原のcDNA塩基配列に対する特異的なプライマーを用いたTR-PCRにより、各癌細胞株についてFas抗原遺伝子のmRNAの存在の有無を調べたところ、フローサイトメトリーの結果と一致しており、この方法を補助的手段とすることの有用性が確認された。
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