1998 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜間質細胞における血小板活性化因子の脱落膜化に関する研究
Project/Area Number |
09771288
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
松井 尚彦 大分医科大学, 医学部, 助手 (00264341)
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Keywords | 子宮内膜間質細胞 / 脱落膜化 / 血小板活性化因子 / 血管内皮細胞増殖因子 / プロスタグランジン / インターフェロンガンマー |
Research Abstract |
子宮内膜細胞は,大きく腺細胞と間質細胞に分けられるが,間質細胞は多くの細胞外成分に囲まれて存在しており,その中には血管内皮細胞も存在する.それ故,間質細胞は血管内皮細胞から産生される種々のメディエーターにより影響を受けることが十分考えられる.また,子宮内膜細胞が脱落膜化する際には血管内皮細胞の増殖が必要であり,血管内皮細胞増殖因子(vascular endotherial growth factor;VEGF)が脱落膜化に深く関わっていると思われる,これまで我々は,サイトカイン刺激による子宮内膜間質細胞のプロスタグランジン(prostaglandin;PG)産生について研究し,サイトカイン(特にIL-1β)が,無添加のコントロール群と比較して,間質細胞のPGE_2産生を濃度依存性に増加させることがわかり,平成7年度の日本産科婦人科学会総会において発表した.つづいて,子宮内膜間質細胞におけるVEGFの産生に関しても検討を行い.子宮内膜間質細胞におけるVEGF産生を.インターフェロン-γが濃度依存性に抑制するという結果を得,平成10年10月の第16回World Congress on Fertility and Sterilityにおいて発表した(この報告に関しては.American Journal of Reproduction Immunologyに投稿予定である).これらの研究で得られた知見を元に.血小板活性化因子(Platlet-activating factor:PAF)の子宮内膜間質細胞における脱落膜化への影響,あるいは,子宮内膜間質細胞の脱落膜化前と脱落膜化後でのPAF刺激に対するPGE_2産性の変化,VEGFの脱落膜化時の変化を研究する予定である.ただし,PAFに関しては.PAFそのものが不安定のため,なかなか良い結果が出ていないのが現状である.
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