1997 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内感染(絨毛羊膜炎)における新しい胎児治療の基礎的研究
Project/Area Number |
09771294
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
福益 博 大阪市立大学, 医学部, 助手 (80285288)
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Keywords | 絨毛羊膜炎 / 敗血症 / 顆粒球コロニー刺激因子(rhG-CSF) / 早産 / 胎児治療 / 妊娠 / 感染症 / 白血球 |
Research Abstract |
<目的>子宮内細菌感染症(絨毛羊膜炎)は児にしばしば致命的な敗血症を発症し生命予後に影響を及ぼす。この背景には児の骨髄予備能の未熟性からくる顆粒球系細胞の枯渇が主要因としてある。この傾向は児が未熟であるほど助長されるが、早い週数のpreterm PROMなどでは、待機的治療を余儀なくされる。このような背景を持つ、本疾患の治療法として、胎児の骨髄予備能を促進し、児の感染症の予防と治療方法を確立するため、本研究では、基礎実験として、妊娠ラットの胎仔への顆粒球系コロニー刺激因子であるフィルグラスチム(rhG-CSF)の投与について検討した。<方法>1.S/Dラットの胎仔に直視下にrhG-CSF100μg/kg/日を皮下注し、時間推移に伴う胎仔および母体のG-CSF濃度と顆粒球の動態を検討し、最適な投与日数・投与時期を検討した。2.分娩日(胎齢21日目)の4日・6日前から隔日に胎仔にrhG-CSF100μg/kg/日を皮下注し、帝王切開にて胎仔を娩出しcontrolと比較した。胎児末梢血中の顆粒球数、分葉球・桿状球の比率ならびに大腿骨切片の顆粒球系細胞の成熟度についてMarrow Myeloid Cellularity Score(MMCS)を用いて検討した。<成果>胎仔の血中の白血球に占める成熟顆粒球の比率はrhG-CSF投与群でcontrolに比して有意に増加した。骨髄の顆粒球の成熟度(MMCS)は、s6日前からの投与群において著用に増加を認めた。
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