1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771305
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
酒井 のぞみ 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60276326)
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Keywords | p27 / ノックアウトマウス / 卵巣 / 顆粒膜細胞 |
Research Abstract |
細胞が増殖する際にはいわゆる細胞周期の過程を経る。すなわち細胞はG1からS期、さらにG2期からM期へと進むが、この際には種々のcyclinとcyclin dependent kinase(cdk)が発現し、そのうち特にG1 cyclinに関する研究が進んでいる。一方cdk/G1 cyclin complexの作用を抑制するp27/Kip1が発見された。我々はこのp27/Kiplノックアウトマウスの提供を受け、それを用いて本年度はまず以下の検討を行った。 1.ヘテロの雄と雌2対の提供を受けたので、まずこれらを用いて仔を得た。そして尾の一部よりDNAを抽出し、我々の作成したプライマーを用いてPCRを行い、それぞれの仔のp27/Kip1に関するgenotypeの判別を行った。現在までそれぞれ3回仔を産み、計59匹の産仔を得た。その内雄が37匹、雌が22匹であった。またノックアウトマウス(ホモ)は雄7匹、雌6匹を得ることができた。なお、その後は当大学医学部動物室の改築工事のため、breedingを続行してはいるが、genotypeの判別は行っていない。いずれにしろ仔が小さいので、もっと大きな仔に至ってから今後の研究を行う予定である。また今後はノックアウトマウスを得る確立を高めるために、ノックアウトの雄とヘテロの雌から仔を得ていくことを計画している。 2.予備実験として、第1回目の産仔の雌マウス8匹より卵巣を摘出し、一方は病理組織研究用にフォルマリン固定し、残りの卵巣より顆粒膜細胞を圧出し、培養皿に植えた。そのうち3匹の卵巣から採取した卵巣より細胞が培養でき、本報告書を記載している日まで順調に培養されている。今後はこの細胞からDNAを採取し、再度genotypeを確認し、今後の研究に使用する予定である。
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