1997 Fiscal Year Annual Research Report
ポジショナルクローニングによる婦人科癌・習慣流産に関与する遺伝子の単離
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09771311
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
岡本 愛光 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20204026)
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Keywords | 染色体異常 / ポジショナルクローニング / 習慣流産 / FISH |
Research Abstract |
1。インフォームドコンセントを得た58例の婦人科癌患者の末梢リンパ球染色体解析を行い、3例の染色体異常を検出した。その内訳はそれぞれ46,XX,inv(9)(p12q13)1例、46,XX,45,X,47,XXXのモザイク2例であった。 2。反復流産既往がある46,XX,inv(9)(p12q13)の症例のリンパ球はEBウイルスにより不活化、細胞株化し、次のFISH解析に供した。 3。9p12領域およびその周囲のYACクローン15種を入手し、DNAを調製し、2の細胞株でFISHを行った。正常アレルに対し逆位を起こしているアレルでのspilit signalを検索し、5種のYACクローンがspilit様signalを示した。しかしながら、セントロメア領域の繰り返し配列のため正常のアレルも複数のsignalが検出されたために、さらに5種のYACクローンの5'側fragmentをそれぞれ単離し再度FISHを行った。その結果、2種のYACクローンがspilit signalを示した。同時に15種のYACクローンのcontigも確認した。 4 。現在、2種のYACクローンをcosmidにsubcloningし、FISHを行い、breakpointの決定を試みている。 5。2種のYACクローンの領域およびその周辺には既に単離されている遺伝子、BAG1,SHB1,PGM5があり、卵巣癌細胞株でmRNAの発現異常の有無およびDNA変化を探索している。 6。1のモザイク症例はDNAを抽出し、CGH解析をおこない、不分離に関する遺伝子領域の検索を行う予定である。
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