1998 Fiscal Year Annual Research Report
ポジショナルクリーニングによる婦人科癌、習慣流産に関与する遺伝子の単離
Project/Area Number |
09771311
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
岡本 愛光 東京慈恵会医科大学, 産婦人科, 助手 (20204026)
|
Keywords | ポジショナルクローニング / 染色体異常 / 卵巣癌 / 流産 |
Research Abstract |
1。 インフォームドコンセントを得た58例の婦人科癌患者の末梢リンパ球染色体解析を行い、3例の染色体異常を検出した。その内訳はそれぞれ46,XX,inv(9)(p12q13)1例、46,XX,45,X,47,XXXのモザイク2例であった。 2。 反復流産既往がある46,XX,inv(9)(p12q13)の症例のリンバ球はEBウイルスにより不活化、細胞株化し、次のFISH解析に供した。 3。 9p12領域およびその周囲のYACクローン15種を入手し、DNAを調整し、2の細胞株でFISHを行った。正常アレルに対し逆位を起こしているアレルでのspilit signalを検索し、5種のYACクローンがspilit様signalを示した。しかしながら、セントロメア領域の繰り返し配列のため正常のアレルにも複数のsignalが検出されたために、さらに5種のYACクローンの5'側fragmentをそれぞれ単離し再度FISHを行った。その結果、2種のYACクローンがspilitsignalを示した。同時に15種のYACクローンのcontigも確認した。 4。 2種のYACクローンの領域およびその周辺には既に単離されている遺伝子、BAG1,SHB1,PGM5があり、卵巣癌細胞株でmRNAの発現異常をRT-PCRにより検索したが、明らかな発現異常は認められなかった。 5。 spilit signalを示した2種のYACクローンをcosmidにsubcloningし、FISHを行い、6種のcosmidクローンがspilit signalを示し、そのcosmidクローンのcontigを行なった。その結果、breakpointは約60kbに狭められた。
|
-
[Publications] Takakura S.,Okamoto A.,Saito M.,et al.: "Allelic imbalance in chromosome band 18q21 and SMAD4 mutations in ovarian cancers." Genes,Chromosomes & Cancer. 24. 264-271 (1999)