1998 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛におけるグルココルチコイド受容体の分布とストレスによる誘導に関する研究
Project/Area Number |
09771329
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
瀬成田 雅光 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60282357)
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Keywords | グルココルチコイドレセプター / 蝸牛 / mRNA |
Research Abstract |
1) 音響負荷前後のモルモット蝸牛におけるグルココルチコイドレセプター(GR)mRNAの発現量の変化を定量的に解析した結果,120 dB SPL 10分負荷では負荷2時間後に,130dB SPL負荷では6時間後に有意な低下を認めた。音響負荷24時間後におけるGRmRNA量は両者とも負荷前の値に復帰しており,一過性のdown-regulationの存在が示唆された。 2) 上記結果からGRそのももの分布及び音響負荷による発現量の変化をモノクローナル抗体を用いて検討した。GRはラセン神経節・ラセン唇・血管条及びラセン靭帯を中心に分布しており,ラットにおける他家の報告と一致した。音響負荷前と120dB SPL音響負荷後のGR発現量の変化を免疫組織学的手法とウエスタンブロット法を用いて検討したが,少なくともこの条件では明らかな変化を認めず,現在異なった条件下で実験を継続中である。 3) 蝸牛液・蝸牛組織へのステロイドホルモンの移行性を検討するため,メチルプレドニゾロンをモルモットに腹腔内投与の後,外リンパ液・蝸牛組織を採取し高速液体クロマトグラフィーを用いて定量を試みたが,n-hexane,2-propanolによる抽出は困難で,現在リン酸緩衝液を用いた方法を試行中である。
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