1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771336
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
角田 篤信 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00280983)
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Keywords | 系統発生 / 中頭蓋窩 / 弓状隆起 / ヒト / サル |
Research Abstract |
・ヒト検体での検討:本学第二解剖学教室の協力の下、解剖体12体について、開頭の上大脳を摘出、中頭蓋窩を観察しその形態について周囲器官との関係について検討した。さらに、それら解剖検体と他の側頭骨検体について弓状隆起と前半規管との位置的関係について検討した。検討に当たっては中頭蓋窩面をドリルにて削開し、削開された前半規管の位置、向きを明確にし、削開前後の検体をスチルカメラ、デジタルカメラで撮影し、比較検討した。 ・サル検体での検討:京都大学霊長類研究所系統発生分野、並び獨協医科大学第一解剖学教室の協力の下、サル頭蓋骨(類人猿:チンパンジー2検体、テナガザル10検体、マカク:ニホンザル40検体、ヒト:10検体)について、基準面としてドイツ水平面を選び、その面と垂直な方向から中頭蓋窩の形態を観察、検討、記録した。さらに、その種差の有無を調査した。 これまでの結果:(1)弓状隆起は迷路骨胞特に前半規管付近だけでなく、錐体骨中央を前後方向に大きく走行している検体がほとんどであった。また、血管構造物としては、棘孔からの中硬膜下動脈の分枝、ならびに側頭葉下面からの流出静脈が中頭蓋窩形態、弓状隆起の形態に影響を与えている検体が見られた。(2)従来の報告と同様、弓状隆起は前半規管と位置がずれた検体が半数を占めた。(3)一方サルは比較的単純な中頭蓋窩形態を有しており、特にマカク、ヒヒでは弓状隆起がはっきりとした稜線を描かず、緩やかな隆起を呈する検体がほぼ7割近く見られた。 これらの検討の結果は本年5月の日本耳鼻咽喉科学会(札幌)にて発表予定である。 *本年度はさらにデータを追加した上で、コンピューターを用いた画像処理を行い、中頭蓋窩形態、特に弓状隆起の形態を規定する因子について検討する。
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[Publications] Tsunoda,A., Yamada,M., Komatsuzaki,A.: "Influence of phylogeny on jugular fossa shape and otologic disorder." J.Laryngol.Otol,. 111. 1027-1033 (1997)
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[Publications] Tsunoda,A., Muraoka,H. Yamada,M., Komatsuzaki,A.: "Helical CT and its three-dimensional image application for image-guided surgery in middle cranial fossa approach." Mini Inv Therap,Allied Techn.6. 310-314 (1997)
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[Publications] 角田篤信: "中頭蓋窩法への3次元ヘリカルCTの応用" 頭頚部外科. 8. 45-50 (1997)