1997 Fiscal Year Annual Research Report
虚血による前庭神経核ニューロン障害の発症メカニズムの解明ーグルタミン酸サブタイプの役割ー
Project/Area Number |
09771370
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山中 敏彰 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (90271204)
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Keywords | 前庭神経核 / マイクロダイアリーシス / 低酸素 / グルタミン酸 / カルシウム / めまい / 椎骨脳底動脈循環障害 |
Research Abstract |
[目的]椎骨脳底動脈系の虚血の際に生じる前庭神経核ニューロン障害の発症メカニズムを解明するために、低酸素刺激時の前庭神経核からのグルタミン酸遊離およびその機構について微小透析法を生体位で用いて検討した。 [方法]クロラロースで麻酔した成猫の前庭神経核に脳マイクロダイアリーシスプローブを刺入して、今回購入したマイクロインジェクションポンプおよびリキッドスイッチを用いて人工脳脊髄液(aCSF)を潅流し、微小透析を行った後マイクロフラクションコレクターで経時的に回収した。回収したサンプルを電気化学検出器(ECD)付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により解析し、今回購入したHPLC-ECD制御用コンピューターを用いてグルタミン酸遊離量を算出した。人工呼吸器を用いた調節換気下に5%酸素ガスを5分間吸入させて低酸素負荷を与えた時のグルタミン酸遊離量の変化について調べた。 [結果]低酸素吸入中、前庭神経核においてグルタミン酸の遊離量は吸入前より有意に増加(873.5%)した(n=14)。低Ca濃度のaCSFの潅流下に低酸素負荷を与えるとグルタミン酸遊離の増加は275.8%に抑制された(n=5)。 [結論]以上より、低酸素による前庭神経核のニューロン傷害はグルタミン酸の遊離増加により惹起されることが考えられ、またこのグルタミン酸遊離にCaが重要な役割を演じている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toshiaki Yamanaka: "Glutamate as a primary afferent neurotransmitter in the medial vestibular nucleus as detected by in vivo microdialysis." Brain Research. 762. 243-246 (1997)
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[Publications] 山中敏彰: "メニエール病に対する薬物治療の短期および長期評価ー自然経過を考慮した検討ー" Equilibrium Research. 56. 594-600 (1997)
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[Publications] Toshiaki Yamanaka: "Prednisolone Excitation of Medial Vestibular Nucleus Neurons in Cats." Eur Arch Oto-Rhino-Laryngol. 252. 112-118 (1995)
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[Publications] Toshiaki Yamanaka: "Role of Glucocorticoid in Vestibular Compensation in Relation to Activation of Vestibular Nucleus Neurons." Acta Otolaryngol. 519. 168-172 (1995)
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[Publications] 山中敏彰: "中枢前庭代償に対する内在性グルココルチコイドの関与" Equilibrium Research. 54. 354-358 (1995)
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[Publications] Toshiaki Yamanaka: "Release of Glutamate from Vestibular Nerve in Medial Vestibular Nucleus as a Neurotransmitter : In Vivo Microdialysis Study." Acta Otolaryngol.Suppl 520. 92-93 (1995)