1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771384
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
関 博之 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助手 (90236076)
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Keywords | 外リンパ瘻 / 蝸電図 / 共振 |
Research Abstract |
ラットを使用し実験を行った。ネンブタール腹腔内投与にて麻酔後、耳介付着縁より後方を切開し、乳突骨胞を露出させ、外耳道後方に径2〜3mmの小孔をドリルにて作製した。その小孔から正円窓膜上に銀ボール電極を挿入固定し、正円窓をシリコンで充填した。特製の微細ガラス管のついたマイクロピペットをシリコンで充填された正円窓に挿入した。リンパ液の漏出がないのを確認しつつ、特殊硬化剤で微細ガラス管を正円窓に密閉固定し、マイクロピペットを使って外リンパ腔内の外リンパ液を微量の引圧で吸引したり、また外リンパ腔に微量の空気を送り込むことによって外リンパ瘻の状態を作り出した。 覚醒した状態において体動を制限して、正円窓膜上の銀ボール電極を近位電極とし、また遠位電極、接地電極として、それぞれ針を頚部筋肉に刺して電極とした蝸電図を施行した。被検耳外耳道入口部にスピーカーより自由音場で音刺激を与え、蝸電図を施行したが、個体による結果に差があり、解析をするにはいたらなかった。 しかし、蝸電図を取るための音刺激を与えることにより、耳小骨が共振している所見が得られた。この共振も個体により差があるため、ラットに特有のものかは明らかではないが、人間においても耳小骨に共振があるとするならば臨床に応用できるのではないかと考えられた。
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