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1997 Fiscal Year Annual Research Report

癒着性中耳炎における耳管機能と中耳腔ガス換気能に関する研究

Research Project

Project/Area Number 09771386
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

辻 富彦  東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助手 (30236880)

Keywords癒着性中耳炎 / 耳管機能不全 / ガス換気
Research Abstract

癒着性中耳炎の成因についてはいまだ詳細に解明されておらず、耳管機能不全の関与などが指摘されているが不明な点が多い。われわれは耳管機能検査機器を用いて、癒着性中耳炎の耳管機能について詳細な評価を行い、これらに加え中耳粘膜のガス換気能の障害について検討を行った。
癒着性中耳炎における耳管機能について、癒着性中耳炎患者の音響法、加圧減圧法、線毛性排泄能について検討した。音響法から嚥下時の耳管の開閉率はそれほど悪くないことがわかったが、その多くで耳管の開閉持続時間は短縮していた。加圧減圧法から圧負荷の解除能は加圧、減圧ともにきわめて悪いことがわかった。また線毛性排泄能も多くの症例で高度に障害されていた。
中耳粘膜のガス換気の状態をみるために癒着性中耳炎術後チューブ留置例の中耳腔圧のピーク圧を検討したところ、滲出性中耳炎チューブ留置例のピーク圧と比べて低く、癒着性中耳炎ではガス換気能の著しい低下が示唆された。
次に実験モデルとして全く中耳粘膜を除去し、中耳粘膜機能を消失してしまった状態を仮定し、実験を行った。家兎のbullaを解放し、鼓膜に損傷を加えないように可及的に鼓室の粘膜を除去した後bullaを閉鎖し、感染しないように注意しながら長期に経過を観察したところ、鼓膜の経時的観察にて鼓膜の陥凹および癒着性の変化を認めた。
中耳粘膜の中耳腔における役割はまだ詳細に解明されているとはいえないが、本研究より中耳粘膜のガス換気能の障害が癒着性病変の病因となっていることが示唆された。
なお、鼓室内の実際のガスの状態や中耳粘膜除去後の鼓膜、耳管の組織学的評価については今後の検討を要する。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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