1997 Fiscal Year Annual Research Report
水晶体に存在する新生血管造成抑制因子の同定に関する研究
Project/Area Number |
09771409
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関根 康生 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80241818)
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Keywords | 水晶体 / PCR / PCR阻害 / DNAポリメラーゼ / 増殖抑制 / クリスタリン |
Research Abstract |
水晶体を手術的に除去すると,糖尿病性網膜症および,血管新生緑内障の発症頻度が高くなることが知られており,しかも水晶体が悪性腫瘍化することは殆ど見当たらない.そこで我々は,水晶体中には細胞増殖の必須条件であるDNA複製機能を阻害,抑制する何らかの因子が存在するのではないかと考え,まずヒト水晶体成分がDNA増幅に及ぼす影響を,polymerase chain reaction(PCR)法を用いて検討したところ,ヒト水晶体中にPCR阻害因子が存在することを確認した.次にその阻害因子の局在部位につき,ヒト水晶体前嚢とヒト水晶体核を用い比較検討した結果,水晶体前嚢より水晶体核の方に阻害因子がより多く存在することも確認された.水溶性分画を分子量3KD以下、3KD-10KD、10KD-50KD、50KD-100KD、100KD以上の分画に分けて同様の検討をしたところ、分子量50KD-100KDの分画にPCR阻害因子があることが判った。現在、この50KD-100KDの分画をイオン交換クロマトグラフィーとゲル濾過クロマトグラフィーで分画している最中である。また一方、ヒト水晶体からm-RNAを採取しc-DNAライブラリーも作成しており発現ベクターに組み込んでいる。平成10年度はPCR阻害因子のある分画をクロマトグラフィーで絞り込み抽出し、それに対する抗体を作成する。そしてそれを用いたc-DNAライブラリーの発現スクリーニングまで研究を持っていくのが平成10年度の課題である。
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Research Products
(1 results)