1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771413
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 峰夫 新潟大学, 医学部, 助手 (60251807)
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Keywords | 非共同性眼球運動 / 適応的制御 / 幅輳眼球運動 |
Research Abstract |
本年は、非共同性眼球運動の実験のセットアップを行い、基礎データの収集を開始した。Head mount displayで3次元的な視標運動を提示し、赤外線リンバストラッカー(photoECG)で眼球運動を記録するシステムを組み立て、幅輳を始めとした非共同性眼球運動の適応を誘発する視標運動プログラムやデータ解析プログラムもほぼ完成した。まず実験の手始めとして、幅輳眼球運動に対する視標は背景の最適条件を検討した。その結果、視標の大きさや背景の有無は幅輳運動の立ち上がり部分の特性そのものへの影響は少ないが、その後の幅輳角の維持に大きく関わることが解った。背景の視覚要素が強いと背景に引かれて解散したり、視標サイズが大きくなり中心視差がなくなると幅輳角が大きくばらつくなどである。その一方で、幅輳眼球運動とフィードバックシステムという点で類似点の多い滑動性眼球運動についての適応現象のデータを取得し、初期open loop部分の運動特性の適応変化が起こることを確認した上で、眼位に依存したcontext specificな適応が起こること、運動方向の適応が起こることを見出した。同様の実験を今後幅輳眼球運動に対して行い、比較検討する予定である。上記のシステムは臨床的にも用いることができ、患者データ取得の準備が進行中である。 また、positron emission tomography(PET)を用いて大脳レベルでの幅輳眼球運動に関わる中枢領域を検討し、V5を含む後頭即答接合部・紡錘回・中前頭回が活性化されることを見出した。平成10年度は小脳レベルでの幅輳眼球運動を始めとした非共同性眼球運動関連領域を見出し、さらには適応現象との関連の詳細を検討する予定である。
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