1997 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-I associated uveitisとHLA-DQ7の関連性の検討
Project/Area Number |
09771451
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中尾 久美子 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30217658)
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Keywords | HTLV-I / ぶどう膜炎 / NOS |
Research Abstract |
Human T-cell lymphotropic virus type 1(HTLV-I)は成人T細胞白血病(ATL)や神経疾患HAM/TSPの原因ウイルスであり、さらにこのウイルスに関連してぶどう膜炎が発症することが疫学的に証明されてHTLV-I associated uveitis(HAU)と名付けられている。同じウイルスに感染しても、一生キャリアのまま過ごすか、白血病や神経疾患やぶどう膜炎というまったく性質の異なったいずれかの疾患を発症するかは、宿主側の遺伝要因に強く関連していると考えられている。遺伝的素因の一つとしてnitric oxide synthase(NOS)genotypeに注目して検討した。ATL3例、HAM8例、HAUを発症したHTLV-Iキャリア14例、ぶどう膜炎以外の眼疾患のHTLV-Iキャリア32例から末梢血を採取してリンパ球を分離し、一部でHLAを検索し、一部からDNAを抽出した。抽出したDNAを材料とし、PCR法でNOS genotypeを調べた。ATL3例はすべてNOS b/bであった。HAM8例はすべてNOS b/bであった。HAUを発症したHTLV-Iキャリア14例中、9例はNOS b/bで、5例はNOS b/aであった。ぶどう膜炎以外の眼疾患を発症しているHTLV-Iキャリア32例中、29例はNOS b/bで、2例がNOS b/aで、1例がNOS a/aであった。ATLとHAM、ATLとHTLV-Iキャリア、およびHAMとHTLV-Iキャリアの間でNOS genotypeに違いはみられなかった。HTLV-Iキャリアでぶどう膜炎を発症しているHAU群とぶどう膜炎以外の眼疾患群を比較すると、HAU群では有意にNOS b/aが多かった(P<0.05)。HAUの発症にNOS genotypeが関連性するかどうかは、HAU以外のぶどう膜炎についても調べて検討する必要がある。
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