1998 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-I associated uveitisとHLA-DQ7の関連性の検討
Project/Area Number |
09771451
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中尾 久美子 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (30217658)
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Keywords | HTLV-I / ぶどう膜炎 / Nitric oxide synthase / superoxide dismutase |
Research Abstract |
Human T-cell lyrmphotropic virus type 1(HTLV-1)は、成人T細胞白血病や神経疾患HTLV-I associated myelopathy/tropical spastic paraparesisの原因となるウイルスであり、眼科領域においても、HTLV-I感染に関連してぶとう膜炎が発症することが疫学的に証明されて、HTLV-I associated uveitis(HAU)という疾患概念が確立した。同じウイルスに感染して白血病と神経疾患という全く性質の異なった病気のどちらを発症するかは、宿主側の遺伝要因に強く関連していると考えられており、それぞれに強く関連したHLA haplotypeが証明されている。同様に、ぶどう膜炎HAUの発症にも宿主要因が関連している可能性が考えられ、本研究ではHAU発症に関わる遺伝的素因を明らかにするために、遺伝的素因の一つとして、ぶとう膜炎に関連が示唆されている酵素Nitric oxide synthase(NOS)とSuperoxide dismutase(SOD)のgenotypeに注目して検討した。HAU患者62例、ベーチェット病78例、原田病51例、およびコントロール185例の末梢血液を同意を得た上で採取し、リンパ球と血漿に分離し、分離したリンパ球の一部でHLAを検索し、残りのリンパ球からDNAを抽出した。抽出したDNAを鋳型として、PCR法を用いてNOSとSODのgenotypeを調べた。NOS genotypeは、H9年度の研究結果では、HAU群とぶどう膜炎以外の眼疾患群を比較するとHAU群で有意にNOS b/aが多かったが、本年度の研究ではHAU群、HAU以外のぶどう膜炎群、コントロール群でNOS genotypeに違いはみられなかった。SOD genotypeも、HAU群、HAU以外のぶどう膜炎群、コントロール群で違いはみられなかった。また、HAUとの関連が示唆されているHLADQ7の有無に関連して、NOSやSODのgenotypeに違いはみられなかった。今後、さらに他の遺伝的多型についても検討する予定である。
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