1998 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショック蛋白による実践的ぶどう膜炎の免疫学的研究
Project/Area Number |
09771456
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
内尾 英一 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70232840)
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Keywords | 熱ショック蛋白 / ラット / IgG / IgA / ペプチド / 免疫学的受容 |
Research Abstract |
熱ショック蛋白のうち,ウシ結核菌由来のHSP-65とヒト由来のHSP-60は,ベーチェット病患者の血清中に抗体が出現し,またラットに投与することによってぶとう膜炎を惹起することが既に知られている。この研究においては,これらの熱ショック蛋白投与ラットにおける細胞性および体液性免疫動態の解明が研究を主目的とした。すなわち,ヒトの重症自己免疫性ぶとう膜炎に,現行の各種抗原より類似した病態をとりうる熱ショック蛋白によってラットにぶとう膜炎を惹起し,その発症をひきおこす吸子を分子的なレベルで解析し,再発をおこすメカニズムを分析して臨床的な治療の道を開くことを目的とした研究である。その結果,以下のような結果が得られた。 (1) HSP-65で免役されたラットにおいては,HSP-65に対するものだけでなく,複数種類の結核菌HSPの中のペプチドに対する抗体も形成されており,それとhomologousなヒトHSPのペプチドに対する抗体も誘導されていた。IgGに比べ,IgA抗体の上昇の程度は高くはなかったが,発症した動物と発症しなかった動物を比較するとIgA抗体における差の方がより大きく,IgA抗体の関与も重要であった。 (2) あらかじめ微量の抗原を投与しておき,通常量の免疫を行っても免疫反応が誘導されない状態を免疫学的寛容というが,HSP-65,-60による免疫に先立って抗接着分子モノクローナル抗体を投与し,発症が抑制されるかどうかを観察し,抑制確認後,再びHSP-65,-60を投与して発症が抑制されうるか観察した。この状態におけるリンパ節や脾臓の細胞も表面マーカーをフローサイトメトリーによって解析したところ,寛容の導入が行われたことが見出された。このようなラットにHSPを投与しでも発症は得られなかったことも確認された。
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Research Products
(1 results)