1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771480
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
高橋 寛二 関西医科大学, 医学部, 講師 (60216710)
|
Keywords | インドシアニングリーン(ICG) / 網膜変性 / ラット |
Research Abstract |
1.ICGの網脈絡膜における局在の組織学的証明 様々な網脈絡膜病変にCG造影を行い、さらにICGの局在を組織学的に証明し、臨床的なICG蛍光造影所見と病理組織所見におけるICGの局在を比較して検討することによって、ICG蛍光造影の読影基準を作製し病態を解明することを目的とする。 1)実験動物として、成熟有色ラット(Brown-Norway系)を用いる。実験モデルには下記の2種類の方法を用いる。 a)オルニチン網膜症 PH7.2に調節した1-ornithine hydrochlorideの0.5M溶液をラット硝子体内に注入して、網膜色素上皮を障害する。 b)ヨ-ソ酸ナトリウム網膜症 sodium iodate;NaIO3の4%溶液を0.1ml/100gでラット静脈内に注入して網膜色素上皮を障害する。 2)ICGを各実験モデルに静脈内投与後、Scanning Laser Ophthalmoscopeを用い、ICG蛍光眼底造影を行う。 3)組織標本でICGを検出するため、ラットにICG(25mg/kg)を追加投与し、適宜、眼球を摘出し急速凍結、5μmの網膜脈絡膜の組織切片を作成、切片をアセトン凍結置換法にて脱水、固定する。 4)作成した切片で網膜脈絡膜におけるICGの蛍光を赤外線光学顕微鏡下で撮影しICGの局在を証明する。 今回の実験結果から、 1)薬剤による網膜色素上皮の障害期では、ICG造影では強い過螢光を示し、組織学的にもICG色素のstainingと色素上皮の関門機構の破綻による網膜内への漏出をみた。 2)網膜色素上皮が萎縮すると、脈絡膜血管の造影像が明瞭に見えるようになり、さらに脈絡膜毛細血管が萎縮に陥るとICG色素の流入がなく造影、組織所見にても低螢光を示す。 2.今後の展開 今回の結果にさらに、ニトロソウレア(MNU)を用いて網膜変性モデル眼を作成し、その変性過程にICG造影、組織学的なICGの局在の確認の実験を行い、ICG造影でみられる様々な所見と照らし合わせて組織学的に病態の把握を試みる。
|