1997 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素(NO)による実験的脈絡膜新生血管の抑制効果の証明
Project/Area Number |
09771481
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
戸部 隆雄 関西医科大学, 医学部, 講師 (60268357)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / 培養 / ラット / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
1.ラット網膜色素上皮細胞の培養 当初、ニワトリ胚の網膜色素上皮細胞を培養予定であったが、購入および取り扱いが容易な幼若ラットの網膜色素上皮細胞を培養することにした。 生後14日から18日のBrown-Norway系ラットから眼球摘出を行い、BSS溶液で良く洗浄した後、Collagenase/Hyaluronidase溶液に37℃で75分間放置した。 次いで、眼球を0.1%trypsin入りBSS溶液に37℃で50分間浸した後、前眼部を切除した。実体顕微鏡下で眼球杯から、網膜色素上皮を出来るだけシート状に脈絡膜から分離して、10%ウシ胎児血清添加MEM溶液に採取した。 Calcium/Magnesium Free BSS溶液で3回洗浄後、網膜色素上皮細胞を10%ウシ胎児血清添加MEM溶液に懸濁して培養皿にまき、37℃で培養した。 2.網膜色素上皮細胞の確認 眼球から分離して培養した細胞が網膜色素上皮細胞であることを確認するために、一次抗体にサイトケラチン抗体を用いて免疫染色を行った。培養細胞はサイトケラチン抗体に陽性であったことから上皮系の細胞であることが確認され、網膜色素上皮細胞であることが明らかになった。 3.培養網膜色素上皮細胞への障害と修復過程の観察 培養した網膜色素上皮細胞に対して、ピペットの先で各培養皿毎に同じ幅の擦過領域を作成し、実体顕微鏡を用いてその修復過程を観察した。 4.今後の研究の展開 今回、当教室にて確実なラット網膜色素上皮細胞の培養系を確立できたので、今後は一酸化窒素(NO)自発発生化合物であるS-ニトロン-N-アセチル-DL-ペニシラミン(SNAP)の各種濃度溶液でインキュベートして、障害された網膜色素上皮細胞の増殖に対するNOの影響を観察する。その後、NO消去剤(Carboxy-PTIO)とNO合成酵素阻害剤(N^G-ニトローL-アルギニン)の影響を観察する。
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