1997 Fiscal Year Annual Research Report
成長に伴う肝機能の成熟過程の解明と小児外科領域における定量的肝機能評価法の開発
Project/Area Number |
09771486
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 博史 筑波大学, 臨床医学系, 助手 (50282364)
|
Keywords | 肝機能検査 / 肝障害 / 小児 / 肝ミクロゾーム / trimethadione(TMO) / caffeine / 胆道閉鎖症 / 肝予備能 |
Research Abstract |
1.動物実験 (1)新生ビ-グル犬7頭を用いて経時的にtrimethadione(以下TMO)とcaffeine(以下CA)を投与しその薬物動態を解析して成長に伴う肝ミクロゾーム機能の成熟過程を調べた。その結果、TMO、CA共に1週令では代謝活性が低く、その後次第に成熟して5〜7週令頃代謝活性が最高となった後、生後20週以後は次第に低下することがわかった。 (2)1、3、7、15週令のビ-グル犬の肝を摘出し、肝ミクロゾームを調製して、単位肝ミクロゾーム当たりの酵素活性を測定した。その結果(1)で得られたin vivoの結果とほぼ同様の結果が得られた。 (3)幼若犬に40%肝切除を行い術後の肝の回復過程をTMOとCAの薬物代謝の面から評価した。その結果、術後1日目にはTMOとCAの代謝活性は低下し、以後肝の再生に伴って代謝活性の回復が認められた。 2.臨床的検討 (1)小児におけるTMO負荷試験の正常値 学内の倫理委員会の承認を得て、肝障害の無い小児を対象にしてTMO負荷試験を施行しその正常値を調べた。その結果、TMOの代謝は新生児期は未熟であるが、成長に伴って急速に成熟し、2才頃ほぼ成人の正常値に達することがわかった。また1才前後は個人差が大きく、またかなり代謝活性が亢進している例も見られた。 (2)胆道閉鎖症における肝の機能的予備能の評価 胆道閉鎖症の症例を対象にしてTMO負荷試験を施行し、肝の機能的予備能を評価した。その結果、TMO負荷試験の値は臨床的重症度をよく反映しており、肝の機能的予備能の定量的評価に有用であると考えられた。
|
-
[Publications] Hirofumi Nakamura: "Age-related chenges in hepaticdrug-oxidizing activity using triinethadione as a probe drug in human" Hepatology Research. (発表予定).
-
[Publications] Hakkola,J.: "Development expression of cytochrome P450 enzyines in the human liver" Pharmacol.Toxicol.(発表予定). (1998)