1997 Fiscal Year Annual Research Report
新たに同定された温度感受性p53変異の機能解析を中心とする口腔癌発症機構の解析
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09771493
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
MUNIRAJAN A.K. 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (10291345)
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Keywords | p53 / 熱ショック蛋白質 / CATアッセイ / EGFR / Prad 1 / HPV / Fhit |
Research Abstract |
〈149プロリン変異遺伝子の転写制御能の解析〉 インドで見いだされたp53の変異の1つ149番目のセリンからプリロンへの変異株が熱ショック蛋白質HSP70のプロモーターに対しては高温(37.5C)で転写を活性化するが低温(32.5C)では転写を抑制する事を研究代表者らの研究でこれまでに明らかにしてきた。そこでまず、熱ショックによる転写制御に関与するHSE(heat shock element)と転写基本因子の結合配列(TATA box)のみを基本的にもつレポータープラスミドをもちいてCATアッセイ法で調べたところ、高温における転写活性化能は見いだされたが転写抑制能は見いだされなかった。 〈癌遺伝子等の解析〉 (1)p53癌抑制遺伝子変異、EGFR、Pradl遺伝子の増幅について南インドの15症例について解析した。その結果p53の変異は4例に、EGFRは6例(40%)、Pradlは1例の増幅を検出した。EGFRの増幅の頻度は本学で樹立された細胞株のそれとほぼ同様であった。なおp53の変異症例とEGFRの増幅症例との間にはあまり重複はみられなかった。これとは別にHPVゲノムの有無についての検討をおこなった。同地域の子宮頸癌症例の70%にE6あるいはE7の一部が検出できた条件でも口腔癌での検出はできなかった。なお1症例で見つかったHPVは既知のもののどれと比較しても80%以下の新種である可能性が示された。 (2)Fhit遺伝子の変異。本学で樹立された細胞株15のうち少なくとも3株にゲノムDNAあるいはRNAに異常を認めたが南インドの症例ではイントロン8にpolymorphismが認められたが、明らかな異常は検出できなかった。
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