1998 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群唾液腺におけるアポトーシス:Fas/Fasリガンド系によるICEファミリーの活性化
Project/Area Number |
09771506
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 恭明 長崎大学, 歯学部, 助手 (80253673)
|
Keywords | シェーグレン症候群 / Fas / Fasリガンド / アポトーシス / TUNEL / ICE / Caspase |
Research Abstract |
これまでにわれわれは、シェーグレン症候群(SS)口唇小唾液腺実質の破壊・消失はアポトーシスによるものであり、さらにこのアポトーシスにFas/Fasリガンド系がオートクライン、あるいはパラクラインに関与する可能性を証明してきた。今回の研究目的は、SS唾液腺パラフィン標本の連続切片をもちいてSS唾液腺組織内におけるICE/Caspaseファミリーの局在を検索し、in situ TdT反応やFas/Fasリガンド免疫染色の結果と比較することにより、Fas/Fasリガンド系がin vivoで活性化されることにより、SS唾液腺のアポトーシスを引き起こしているか否かを検索することにある。 In situ TdT反応・Fas免疫染色・Caspase免疫染色をSS唾液腺パラフィン切片に施行したところ、これら三者の局在が一致する症例が全症例の12%にみられ、さらに三者の局在はFasリガンドの局在とも一致した。これらの結果は、SS唾液腺炎のアポトーシスは、Fas/Fasリガンドによるオートクライン・パラクラインなシグナル伝達によるものであることを示した。 一方、われわれは、唾液腺炎のアポトーシスを分子レベルで経時的に観察するために、Insitu TdT反応を指標として、慢性唾液腺炎の検索に最適なモデルマウスをスクリーニングした。その結果、唾液腺結紮マウスにおいてはアポトーシスが結紮後二日目から生じ、一週間から十日という比較的早い時間経過で萎縮・消失が進行することを見いだした。今後は唾液腺結紮マウスを用いて、唾液腺消失の機序を分子学的手法をもちいて検索することを考えている。
|