1997 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌に対する抗Fas抗体を用いた新しい治療法の可能性
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09771509
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
村木 祐孝 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20265002)
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Keywords | 抗Fasモノクロナール抗体 / 扁平上皮癌 / アポトーシス / 化学療法 |
Research Abstract |
1)口腔外科的処理により採取した扁平上皮癌(SCC)組織をコラゲナーゼ処理により細胞を分離。分離した細胞を培養皿にまきクローニングされた細胞、業者より入手可能なSCC細胞用いて、経日および制癌剤処理によるFas抗原発現の有無を酵素抗体法ならびにWestern blotting法により確認を行った。 (結果)分化度の高いタイプのSCC細胞においては蛋白の発現を確認できたが、分化度の低いタイプのSCC細胞やペプロマイシンに対して耐性があるとされるSCC細胞においては、その発現を確認することはできなかった。 2)各培養細胞に対して抗Fasモノクロナール抗体処理を行い、アポトーシスの誘導を促した。アポトーシス発現の確認に関しては、ヘキスト核染色ならびにクロマチンDNAのヌクレオソーム単位での断片化をアガロースゲルを用いた電気泳動法にてラダーパターンを示すか否かによって確認を行った。 (結果)抗Fas抗体処理群では、アポトーシスに特徴的な所見とされている核の凝集、断列を起こした細胞が確認された。また抽出したDNAを電気泳動した結果、抗Fas抗体処理群のサンプルではDNAの断片化によるものと思われるラダーパターンが検出された。 3)各種条件下(経日的変化および各種制癌剤処理)において抗Fas抗体処理を行った症例群と行っていない症例群において吸光度計を用いた細胞障害活性化試験を行った。 (結果)抗Fas抗体投与は各種SCC細胞に対してそれぞれ細胞障害活性を示し、特にペプロマシインとの併用群においてその効果は最も顕著(濃度依存的)であった。 (総括)我々は患者標本を用いたレトロスペクティブな検索において、正検時にFas抗原の発現が見られた症例においては、ペプロマイシンを中心とした抗癌剤による術前化学療法が奏功していた。今回のin vitroでの結果は臨床データを裏付けるものであった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yukoh Muraki: "Immunohistochemical detection of Fas antigen in oral epithelia." Journal of Oral Pathology and Medicine. 26. 57-62 (1997)
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[Publications] 村木祐孝: "口腔扁平上皮癌におけるFas抗体の検出" 日本口腔外科学会雑誌. 43・8. 590-595 (1997)
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[Publications] 村木祐孝: "抗Fas抗体を用いた免疫組織化学的研究-口腔白板症、扁平苔癖、扁平上皮癌におけるFas抗原の検出-." 日本口腔外科学会雑誌. 43・10. 693-698 (1997)
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[Publications] Yukoh Muraki: "Fas antigen localization in oral squamous cell carcinoma." British Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. (1998)
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[Publications] Yukoh Muraki: "Fas expression and prognosis of oral squamous cell carcinoma." International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. (1998)
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[Publications] 村木祐孝: "湿潤様式4C型扁平上皮癌へと移行した舌白板症症例の病理学的・免疫組織学的検討." 九州歯科学会雑誌. (1998)