1997 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞の分化過程における低出力レーザー照射の影響-細胞内Caの動態とcytokeratin,involucrinの遺伝子発現-
Project/Area Number |
09771514
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
土肥 宏樹 奥羽大学, 歯学部, 助手 (30275622)
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Keywords | 低出力レーザー / 上皮細胞 / TGF-α / in vitro / EGF / EGF-α / involucrin / 細胞内Ca^<2+> |
Research Abstract |
歯科臨床において、低出力レーザー照射は治癒を促進させるといわれているがその作用機序は不明である。また、培養細胞に低出力レーザーを照射し、細胞レベルでの効果を検討した基礎研究においても、未だ統一見解が存在しない。さらに、上皮細胞を用いた研究は皆無である。このことから、上皮細胞の分化過程における低出力レーザー照射の影響について、細胞内Caの動態とcytokeratin,involucrinの遺伝子発現について検討した。 上皮細胞にレーザーを照射し、その後の細胞増殖率を測定、本細胞の至適照射時間を検討した。さらにその条件下において低出力レーザー照射後の培地中のEGF,TGF-α量を測定した。また、細胞内のCa^<2+>の動態については、Ca^<2+>プローブ(Flou-3)を用い低出力レーザー照射後、共焦点レーザー顕微鏡下にて観察を行った。また、involucrinについてはレーザー照射後細胞をホモジネートし、ELISAにて測定を行った。 本細胞においての低出力レーザー至適照射条件は30秒間照射であり、細胞のEGF,TGF-αの産生促進が認められた。また、レーザー照射後、細胞内Ca^<2+>の一過性の上昇が認められた。involucrinについては、細胞密度により実験結果に差が生じたため、さらに現在検討中である。 今後、レーザー照射後のEGFreceptor量、さらにcytokeratin,involucrinの遺伝子発現について実験を行っていく予定である。
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