1998 Fiscal Year Annual Research Report
Prevotella intermediaのエラスターゼ遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
09771526
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
柴田 幸永 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10170903)
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Keywords | P.intermedia / 歯周病原菌 / エラスターゼ / クローニング |
Research Abstract |
前年度でエラスチン分解活性を示す形質転換体を得る事ができたので,今年度はこの転換体が有するプラスミドの解析を行った。このプラスミドには5.6kbpの外来DNAが組み込まれていた。このDNAの制限酵素地図を作成,Pst I-XbaIの3kbpの断片上に目的遺伝子が存在していた事がわかった。DNA断片を一方向から欠失させて目的領域の範囲を狭め,約2.5kbpの塩基配列を決定し、オープンリーディングフレーム(ORF)の検索を行った。その結果、ATGから始まりTAAで終わる1923bpから成る1つのORFが判明した。このORFから推定されるタンパク質のアミノ酸残基数は640、分子量は約70kであった。分子量はP.intermediaエラスターゼ(分子量33k)に比べて大きく違っていた。この違いは,エラスターゼはこのまま(33kタンパク質)発現されるのではなく,まず70k前駆体として発現し,その後プロセシングを受け成熟タンパク質(33k)になっていくと考えれば説明できると思われる。その根拠としてエラスターゼのN末端から12個のアミノ酸配列が,ORFから推定されるアミノ酸配列の335残基からの12残基と一致し,335残基からの推定アミノ酸配列の分子量が33.6kとエラスターゼの分子量と近似していることがあげられる。推定アミノ酸配列に対してモチーフ検索を行い,セリンプロテアーゼに共通する3ケ所の活性部位が同定された。また,エラスターゼもDFP,PMSFで活性阻害を受け,セリンプロテアーゼに分類できた。このDNA断片が挿入されたプラスミドを有する大腸菌菌株はエラスチンおよびエラスターゼ合成基質分解活性を示し,またORFから推定されるアミノ酸配列の特徴がエラスターゼの特徴と前述のように一致した。よって,P.intermediaEL,-2-1のエラスターゼ遺伝子がクローニングできたと結論づけた。
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