1997 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺腺房細胞においてVAMP-2と相互作用するタンパク質の検索
Project/Area Number |
09771550
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉垣 純子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (40256904)
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Keywords | 分泌 / 唾液腺 / cAMP / 開口放出 / 分泌顆粒 |
Research Abstract |
本研究では,耳下腺腺房細胞におけるcAMP依存的なアミラーゼ分泌の分子機構の解明を目的として,VAMP-2と相互作用するタンパク質の検索を行った.VAMP-2の標的タンパク質の候補として、まずsyntaxin4に注目した.ラット耳下腺腺房細胞の全膜画分および分泌顆粒膜画分にたいして,syntaxin4に特異的な抗体によるウエスタンブロッテイングを行った.その結果,抗syntaxin4抗体と反応する約35kDaのバンドが全膜画分に検出されたが,分泌顆粒膜画分には検出されなかった.このことから,分泌顆粒膜側に存在するVAMP-2と細胞膜側に存在するsyntaxin4が,それぞれv-SNAREおよびt-SNAREとして結合すると期待できる.しかし,実際に腺房細胞内で,どのようにSNARE複合体が形成されているかは明らかではない.そこで,腺房細胞内におけるVAMP-2の状態を調べるために,VAMP-2の免疫沈降を行った.我々はすでに,VAMP-2を認識する2種類の抗体を作成している.そのうちのひとつであるanti-SER4256を用いて,ラット耳下腺腺房細胞の可溶化膜画分にたいして免疫沈降を行ったところ,VAMP-2は可溶化膜画分に存在しているにも関わらず,沈降されなかった.それに対して,可溶化膜画分に細胞質およびcAMPを反応させた後,免疫沈降を行うと,沈降物内にVAMP-2が確認された.このことから,腺房細胞内においてVAMP-2は何らかのタンパク質Xと結合しており,cAMP依存性プロテインキナーゼの活性化により,VAMP-2からXが解離すると考えられる.anti-SER4256による認識部位は,t-SNAREとの相互作用に必要であると報告されている部位に含まれており,したがって,VAMP-2からのXの解離によって初めてt-SNAREとの結合が可能になると考えられる.
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Research Products
(1 results)