1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771551
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
坪井 美行 日本大学, 歯学部, 助手 (50246906)
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Keywords | サル / 歯根膜 / 弁別課題 |
Research Abstract |
サルを用いて歯根膜感覚の認知機構における視床神経細胞の役割について研究を計画した。麻酔動物でまず視床から歯根膜刺激に応答るニューロンを記録し、刺激強度に対する応答性や受容野特性などを検索した後に、無麻酔動物で歯根膜に与えた圧刺激に対する弁別課題を行わせて、その弁別閾値と弁別速度から歯根膜感覚の認知機構を解明する予定でだった。しかし、この1、2年でサルのBウイルス感染の問題により、感染していない動物の入手が困難となってきた。そこで無麻酔動物での実験を先行させ、現在まで歯根膜圧刺激に対する弁別課題を行わせ、刺激強度に対する弁別閾値と刺激強度変化と弁別速度の関係を調べた。 歯根膜弁別課題は一日2時間行わせた。上顎中切歯の唇側に歯根膜圧刺激用のプローブを設置し、サルが目の前のボタンを押すと圧刺激(P1)が与えられる。サルがボタンを4、6または8秒間ボタンを押し続けるとさらに、圧刺激(P2)がP1に加えられる(P1+P2)。この刺激強度を変化を弁別しボタンを離すと、報酬のジュースが与えられる。サルはいつでもボタンを離すと刺激を回避できる。このような課題を行わせた結果、次のような結果を得た。まず、P1を0mNに設定しP2を徐々に強くし、ボタンを離す確率が50%以上になる強さを知覚閾値とし、その値は約40mNであった。その閾値を参考にしてP1を220,320,440または520mNとし、P2を40,90,130または180mNとして弁別課題を行った。P1中にボタンを離す割合は刺激強度が最大の520mNの時で25.8%であった。P1がいずれの強度でもP2が40mNで弁別が可能であった。P1がいずれの強度でもP2の強度が大きいほど弁別速度は早くなっていた。今後視床ニューロンの記録を同時に行い、弁別速度とニューロンのスパイク頻度の関係を調べていく予定である。
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[Publications] 岩田幸一: "Responses of ACCx nociceptive neurons in awake behaving monkeys." Pain Research. (印刷中). (1998)
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[Publications] 角野隆二: "Behavioral modulation of tooth pulp sensory responses in monkeys." Dentistry in Japna. 34(印刷中). (1998)