1998 Fiscal Year Annual Research Report
グルコシルトランスフェラーゼの活性阻害抗体を誘導するペプチド抗原の特定
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09771560
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
江藤 亜紀子 国立感染症研究所, 口腔科学部, 研究員 (50291125)
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Keywords | ストレプトコッカス・ミュータンス / グルコシルトランスフェラーゼ / ペプチドワクチン |
Research Abstract |
本研究は、齲蝕を予防するための多価ペプチドワクチンの開発を目的としている。申請期間内において、病原菌Streptococcus mutansの分泌する主要な病原因子、グルコシルトランスフェラーゼ(GTF)の活性阻害抗体(中和抗体)を誘導できるペプチドの特定を試みており、昨年度、ワクチン抗原の候補と成りうるぺプチド(GTFぺプチド)を2種類、見い出している。本年度はこれらの抗体の性質を解析し、ぺプチドワクチンのコンポーネントと成りうるか検討した。 1)抗GTFぺプチド抗体による酵素活性阻害の濃度依存性を検討した。GTF蛋白質はgtfB遺伝子を高発現させたS.milleri、KSB8株の細胞表層よりGTF-I蛋白質を調整した。抗GTFペプチド抗体は、ぺプチドをマルチぺプチドシンセサイザーを用いてF-moc法により合成し、HPLC精製後、KLHと結合させゲルろ過カラムで精製してぺプチド抗原を作製し、これをアジュバントとともにウサギに免疫し抗血清を得た。酵素活性阻害実験のために、抗体はペブチドカラムを用いてアフィニティー精製した。GTF-I活性はFキットを用いて測定した。2種類の抗ぺプチド抗体はいずれも濃度依存的に酵素活性を阻害した。2)抗原ペプチドによる抗体の阻害活性解除の検討。抗体によるGTF-I活性の阻害が特異的なものであるが確認するため、抗原ぺプチドが抗体による酵素活性阻害を解除できるか調べた。抗原ぺプチドとのプレインキュベーションによって抗体の酵素活性阻害は解除され、阻害は抗原ぺプチドの配列に特異的であることが示唆された。3)ブロミネントなエピトープの探索。2種類のGTFぺプチドは15残基及び25残基であるが、N端、C端側より短くしたぺプチドを合成し、抗体との反応性をELISA法により測定した。 し
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