1997 Fiscal Year Annual Research Report
PCNAに対するアンチセンスオリゴ導入による腫瘍細胞の放射線増感の試み
Project/Area Number |
09771565
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三浦 雅彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10272600)
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Keywords | PCNA / 放射線感受性 / DNAポリメラーゼδ / DNAポリメラーゼβ / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
Wilsonらのグループは、DNAポリメラーゼβノックアウトマウス由来の細胞の放射線感受性が正常細胞と全く変わらないことを報告し、電離放射線による塩基損傷は本来DNAポリメラーゼβによって修復されるが、修復されなくとも細胞な死に至らないと結論した (Nature,379,183-186,1996)。これまでの我々の知見から、我々は、この現象を次のように考えた。電離放射線による塩基損傷は、DNAポリメラーゼβによってもまたPCNA依存性DNAポリメラーゼδ/εによっても修復可能であり、かりに前者が存在しなくとも後者によって十分修復され、そのために放射線感受性は正常である。DNA単鎖および二重鎖切断の修復動態が、正常細胞とβ(-)細胞で全く変わらないこと(Rydberg et al.,46th Annual Meeting of the Radiation Research Society,1997)、また我々が提供した、PCNA機能を中和する自己抗体AKを、β(-)細胞からの抽出液と反応させ、その後にin vitroで塩基除去修復を行なうと、ほぼ完全に修復が抑制されること(Biade et al.,J.Biol.Chem.,273,898-902,1998)が最近明かとなり、我々の説を支持する報告が出はじめている。本年度、我々は、Dr.Wilsonよりβ(-)細胞と正常細胞を提供して頂き、その細胞の放射線生物学的特徴づけと、PCNAレベルをアンチセンスオリゴによって減少させるための条件設定を予定したが、細胞がなかなか入手できず、実験の着手にてまどった。やっと上記細胞が手に入り、現在プロジェクトが進行中である。
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