1997 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜トランジスタパネルを使用したデジタルエックス線撮影装置の開発と応用
Project/Area Number |
09771589
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
櫻井 孝 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60277910)
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Keywords | デジタルエックス線撮影装置 / 薄膜トランジスタパネル / セレニウム光導電変換層 / 真空蒸着 |
Research Abstract |
電界を付与した無結晶性セレニウム層にエックス線が入射されると、エックス線により発生した電子孔対によって表面電界に変化を生ずることは周知の現象である。今回、入射エックス線を効率的に電気信号へと変換するための光導電変換層として、この無結晶性セレニウムを薄膜トランジスタパネル上に真空蒸着した。真空蒸着に際して、変換効率の良い光導電変換層を作製するためには、蒸着装置内の圧力と炉の温度および被蒸着体である薄膜トランジスタパネルの加温温度に、極限られた範囲の適正条件が存在することが明らかになった。そして、無結晶セレニウム蒸着薄膜トランジスタパネル上に絶縁性の接着剤を均一に塗布し、その上に導電性薄膜シートを接着することによって、随時バイアス電圧を印可することを可能とした。この多層薄膜トランジスタパネルは、バイアス電圧の存在下でエックス線の照射により生じた電子孔対を直ちに電子と正孔に解離し、コンデンサー部に正孔を集積した。パネル上の全てのトランジスタのゲートラインとゲートドライバーを接続することにより、各ゲートライン上のコンデンサーの荷電を順次読み出すことが可能となった。またソースラインと荷電増幅器を接続しさらにアナログ・デジタル変換器を接続することにより、荷電量をデジタル信号としてコンピュータに取り込むことが可能となった。多層薄膜トランジスタパナルと周辺回路の接続にはワイヤーボンディング法とヒートシール法を試みたが、ヒートシール法は接着温度による伸縮が激しく位相のずれやライン間のショートを生じる場合があることから、ワイヤーボンディング法が適していることが明らかとなった。さらに、デジタル信号としてコンピュータに取り込んだ、7インチ×8.5インチパネルにおける全素子のXY座標情報と信号強度情報を、視覚的に認識できる2次元の画像情報として出力することを達成した。
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Research Products
(1 results)