1997 Fiscal Year Annual Research Report
正常唾液腺および唾液腺腫瘍における膜接着因子の免疫組織化学的検索
Project/Area Number |
09771591
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
山田 和人 朝日大学, 歯学部, 助手 (50240007)
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Keywords | 膜接着因子 / 唾液腺 / 唾液腺腫瘍 |
Research Abstract |
近年、分子生物学の著しい進歩によって細胞間接着因子について急速に解明されつつあり、この因子の機能は情報伝達、分化、増殖など多岐にわたることががわかってきた。特に癌細胞における細胞間接着の研究により癌の転移、増殖、分化に細胞間接着因子が深く関わっており、特に細胞間接着因子の一つであるE-カドヘリンはその裏打ち蛋白であるα、βカテニンを介して細胞骨格であるアクチンと結合することで細胞の形態、機能を変化させ、またこの結合の調節はβカテニンのリン酸化によって調節され、またEGF、HGFとβカテニンの間にもなんらかの相互関係があることがわかってきている。 一方、現在までの当研究室の研究で唾液腺および唾液腺腫瘍における様々な研究によって唾液腺および唾液腺腫瘍の起源細胞についてかなり詳細にわかってきたが、唾液腺腫瘍細胞の形態および機能の変化についてはわかっておらず、特に細胞間接着因子の研究は、まだ始まったばかりである。 昨年までの研究で唾液腺および唾液腺腫瘍におけるE-カドヘリンの局在について検索し、これはActa Histochem cytochem Vol.29,305-310,1996ですでに発表した。今年度は昨年検索したE-カドヘリンの細胞質内裏打ちしタンパクであるα、βカテニンの局在について検索した。その結果、正常顎下腺、耳下腺、小唾液腺でα、βカテニンは導管細胞の細胞膜に陽性を、多形性腺種ではαカテニンのみ導管腫瘍細胞に陽性を、Warthin腫瘍ではα、βカテニンとも陰性であった。膜様嚢胞癌では非導管腫瘍細胞の細胞膜にα、βカテニンが陽性であった。今回の結果と前回の結果を合わせると唾液腺腫瘍におけるE-カドヘリンとα、βカテニンの間に強い相関関係は認められなかった。以上の結果はJournal Oral Pathothology and Medicineに投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)