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1997 Fiscal Year Annual Research Report

口腔内における実験的病巣感染の成立機序

Research Project

Project/Area Number 09771595
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

板垣 由美  東北大学, 歯学部, 助手 (10223067)

Keywords血行性感染 / 損傷歯髄 / アナコレ-シス
Research Abstract

今年度は、血行性感染の発生頻度に対する歯髄組織の損傷程度および菌血症を引き起こしている細菌種の影響を検討するため、ネコ14匹を用いて動物実験を行った。被験歯は歯髄の損傷程度の影響を調べるため、未処置群、熱刺激群およびリ-マ-挿入群の3群に分けた。そして歯髄刺激終了後30分以内にE. coli、Str. sanguis、S. aureus、group D EnterococcusあるいはP. aeruginosaのうち、いずれか1種類の細菌を2.5ml伏在静脈に注入した。その1週間後に各被験歯の根管内容物を採取して、静注した細菌の定着率を検討した。また熱刺激およびリ-マ-挿入による歯髄の損傷程度を観察するため、2匹のネコを歯髄刺激直後に屠殺して、病理組織標本を作成した。得られた結果は以下の通りである。
1.未処置群すなわち正常歯髄にはいずれの菌種もまったく定着しなかった。熱刺激あるいはリ-マ-挿入によって損傷を与えた歯髄(根管)には静注した細菌が定着し、その頻度は菌種および歯髄の損傷程度によって異なっていた。
2.損傷歯髄に対して、S. aureus EnterococcusおよびP. aeruginosaは44.4〜88.2%と高い頻度で定着したが、E. coliおよびStr. sanguisの定着率はいずれも10%以下であった。
3.歯髄全体に損傷が加えられたリ-マ-挿入群における各細菌の定着率は平均46.1%(7.7〜88.2%)であった。また冠部歯髄が壊死に陥っているものの根部歯髄がほぼ正常である熱刺激群は、リ-マ-挿入群よりも定着率が低い傾向が見られ、平均35.4% (0〜60.0%)であった。Enterococcusでは危険率5%で両群間に有意差が認められた。
以上の結果より、歯髄の損傷程度が大きいほど血行性由来の細菌が定着しやすく、また菌血症の細菌の種類も重要な因子であることが示された。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 板垣由美, 堀内 博: "損傷歯髄への血行性感染-損傷程度と菌種の影響-" 日本歯科保存学雑誌. 40巻春季特別号. 48 (1997)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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