1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771597
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石幡 浩志 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (40261523)
|
Keywords | レーザー / CT / ヘテロダイン / 歯 |
Research Abstract |
レーザーを用いた光CT画像計測は、生体の分光特性に着目したこれまで類を見ない透視技術である。これまでのエックス線による透視法に比べ生体に対し極めて安全に、しかもこれまでの物質の電子密度と厚みに依存したものとは全く異なり、生体の色を反映する透視像が得られることから、より生命の本質に近い代謝活動をリアルタイムで検知できる手法として期待されている。これまでその中核となる光ヘテロダイン検出法が備える優れた空間指向性および高感度特性を応用した、高い空間分解能を有するコヒーレント検出画像計測(CDI)法の実証と実用開発を進めてきた。歯は、その独特の分光特性によって入射光により様々な色彩や紋様を示す組織として歯学のみならず光学的にも興味深い対象である。今回、単一周波数発振のHe-Neレーザー(波長632.8nm)および可変波長Ti : Al_2O_3レーザー(波長770nm)を光源としてCDI法による歯の断層撮影を行った。試料は前歯および小臼歯計24本である。試料はT-Rステージに固定され、並進および回転操作の制御を受けながら、測定点にレーザー光(約1mW)が照射された。並進ステップ間隔300μm、回転は6度刻みで繰り返し、60の投影データを採得したのち、これらをfiltered back projection法により解析し、断層画像として再構成した。断層画像を取得した後、試料を計測面において薄切して標本とし、得られた断層画像との比較を行った。得られた断層像は、いずれの光源おいても、内部の歯髄腔は光の減衰値の小さい部分として表示され、それらは解剖学的な形態と相同した。けれども実際のサイズは、内部の歯髄腔が実際よりも大きく表示される傾向が見られ、それはTi : Al_2O_3レーザー光源においてやや顕著であった。
|