1997 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成因子(BMP)の歯根膜組織に対する影響に関する研究
Project/Area Number |
09771603
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木下 淳博 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10242207)
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Keywords | BMP / bone morphogenetic protein / 骨形成因子 / 骨誘導因子 / 再生治療 / 歯周組織再生 / 歯根膜 / ポリ乳酸ポリグリコール酸共重合体 |
Research Abstract |
rhBMP-2により,新生骨の形成が促進されることが明らかになってきたが,rhBMP-2が歯根膜組織およびセメント質の形成を促進するか否かは,議論の分かれるところである.本研究では,歯周組織欠損近傍に健全歯根膜組織が存在することが,rhBMP-2による歯周組織の再生にどのような影響を与えるかを検索した. ビ-グル犬の下顎左右前臼歯部の粘膜骨膜弁を剥離した後,第4前臼歯遠心根,第3前臼歯,第2前臼歯近心根を抜去し,第4前臼歯近心根および第2前臼歯遠心根を骨頂の高さで切断,断髄した歯髄を封鎖した.根周囲の骨を高さ約5ミリ切除し,水平性骨欠損を作製した.根周囲のセメント質は全て除去し,歯根象牙質を露出させた後,第4前臼歯近心根の骨欠損底部には矯正用のゴムバンドを装着し,健全歯根膜と欠損を遮断した.第2前臼歯遠心根周囲には矯正用ゴムバンドは装着せず,健全歯根膜組織と欠損が交通するようにした.左右のうち一方にはrhBMP-2を吸着させた担体(ポリ乳酸ポリグリコール酸共重合体/ゼラチンスポンジ)を,もう一方には担体のみを欠損内に埋植し,埋植物,歯根を全て覆うように歯肉弁を縫合した. 埋植12週後に実験動物を屠殺し,組織学的観察を行った.rhBMP-2を埋植した群ではいずれも新生骨が切断した根の歯冠側端まで形成されていたが,歯冠側付近では骨性癒着が観察された.rhBMP-2を埋植しなかった群では,骨形成,セメント質形成ともにわずかで,骨欠損底部からの新生骨の高さの増加は認められなかった. 現在,実験モデルの検討がほぼ終了し,実験系が確立したところで,上記結果も1例のみの結果のため,今後,例数を増やしてセメント質形成に関する影響を検索し,統計学的検討を加える予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Oda S et al.: "Ectopic Bone Formation by Biphasic Calcium Phosphate(BCP)Combined with Recombinant Human Bone Morphogenetic Protein-2(rhBMP-2)." Journal of Medical and Dental Sciences. 44・3. 53-62 (1997)
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[Publications] Kinoshita A et al.: "Periodontal Regeneration by Application of rhBMP-2 to Horizontal Circumferential Defects Created by Experimental Periodontitis in Beagle Dogs." J Periodontol. 68・2. 103-109 (1997)
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[Publications] 石川 烈 他: "Recombinant Human Bone Morphogenetic Protein-2の歯周組織に対する影響" 炎症. 16・3. 181-185 (1996)
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[Publications] 小田 茂 他: "二相性リン酸カルシウム(Biphasic Calcium Phosphate)を担体としたリコンビナントBMP-2(rhBMP-2)の異所性骨形成能について." 口腔病学会雑誌. 63・3. 468-477 (1996)
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[Publications] 木下 淳博 他: "歯周病学(石川 烈編)これからの歯周治療 成長因子と歯周治療)" 永末書店, 296 (1996)