1997 Fiscal Year Annual Research Report
HLA遺伝子と歯周疾患及び歯周病原菌の病因分子に対する抗体産生能との関連性
Project/Area Number |
09771604
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
新田 浩 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70237767)
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Keywords | 歯周疾患 / HLA / DNAタイピング / Papillon-Letevre Syndrome |
Research Abstract |
歯周疾患感受性における遺伝的要因を追究するため、HLA抗原の血清学的タイピングおよびDNAタイピングを早期発症型歯周炎患者と高齢健常者について行うことを計画した.早期発症型歯周炎患者については45名、さらに、乳歯期に歯周炎を発症するPapillon-Lefevre Syndrome(PLS)の患者3名とその家族4名について行った.その結果、早期発症型歯周炎患者では血清型クラスI抗原の出現頻度に一般日本人と比べ有意差のある型は認められなかった.血清型クラスIIでは患者群にHLA-DQ1の出現頻度が有意に増加していた.一方、PLS患者では3人全員がHLA DQ1を持っていること、そのうち2人は4つのクラスIIのタイプがまったく同一である(DR4、DR8、DQ1、DQ3)ことが判明した.Papillon-Lefevre Syndrome患者のクラスII抗原について、さらに詳しいDNAタイピングを家族も含めて行った.その結果、血清学的タイプが同一であった2人はDRB1 0406,08032,DQB1 0302,06011を持ちDNA型も同一であった(確率は10万分の1以下). 現在、早期発症型歯周炎患者について、相関の認められたDQ1抗原のDNAタイプを分析中である.5人の結果ではPLS患者のDNAタイプとは異なっていた.高齢健常者についてはHLA抗原の血清学的タイピングを現在行っている.PLS患者ではその原因菌と推察されるA.a.菌の抗原認識パターンが非常に類似していることがウエスタンブロット法により明らかになり、また、PLS患者の家族でA.a.菌に対して高い抗体価を示した者の血清の同菌の抗原認識パターンも類似していることから,A.a.菌に対する免疫応答性が遺伝的に調節されていることが予想された.
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