1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉溝滲出液中のTIMP-1量とCollagenase活性の動態に関する研究
Project/Area Number |
09771607
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野村 隆 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70251840)
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Keywords | 歯周疾患 / 歯肉溝滲出液 / TIMPs / コラゲナーゼ |
Research Abstract |
本年度は、歯周炎患者(11名)、歯肉炎患者(10名)、健常者(10名)より採取した歯肉溝滲出液(GCF)中のコラゲナーゼ活性、線維芽細胞型コラゲナーゼ(MMP-1)及び好中球型コラゲナーゼ(MMP-8)、それらのMMPのインヒビターであるTissue inhibitor of MMP-1(TIMP-1)及びTIMP-2のレベルを検索し、これらの酵素群とインヒビター群のレベルに、健康から歯周炎への過程でどのような特徴があるのかについて興味ある知見を得ることができた。TIMP-1及びTIMP-2はELISAにより、また、活性型及びAPMA(p-aminophenyl mercuric acetate)にて活性化されたコラゲナーゼ活性についてはSDS-PAGE電気泳動と画像解析を応用した酵素機能により測定した。その結果、GCF中のTIMP-及びコラゲナーゼ活性のレベルは健常者に比較し歯肉炎及び歯周炎患者群で有意に高まった[TIMP-1(ng):健常者3.49±2.91、歯肉炎11.18±6.30、歯周炎13.68±9.64、活性型コラゲナーゼ活性(Units):健常者0.226±0.181、歯肉炎0.360±0.387、歯周炎0.623±0.409、APMAにより活性化されるコラゲナーゼ活性(Units):健常者0.318±0.205、歯肉炎0.664±0.372、歯周炎0.880±0.403]。TIMP-2は全被検者の29.0%のみで検出できた(2.06ng)。また、ウエスタンブロットの結果、MMP-8が歯肉炎及び歯周炎患者群GCF中の主要なコラゲナーゼであることが確認された。今後は、今回得られたデータをいくつかの臨床指数と共に主成分分析という統計学的手法にかけることにより、歯肉炎及び歯周炎の病態についてさらに詳細に検索していく予定である。
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