1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771613
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河野 隆幸 岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80284074)
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Keywords | 歯周病 / インスリン依存性糖尿病患者 / 自己免疫疾患 / GAD抗体 |
Research Abstract |
平成9年度において,1)インスリン依存性糖尿病(IDDM)患者の血清中に歯周組織構成線維芽細胞(歯肉線維芽細胞,歯根膜線維芽細胞)由来抗原に反応する自己抗体が存在すること,2)歯周組織構成線維芽細胞由来抗原は市販のGAD(グルタミン酸脱炭酸酵素)65を認識する抗GAD抗体と反応することを示した。GAD65は膵β細胞に発現し,GAD65に対する抗GAD抗体はIDDMの発症前からIDDM患者で高頻度に検出され,膵β細胞の破壊やIDDM診断のマーカーとして近年非常に重要視されている。また抗GAD抗体はIDDMやある種の全身疾患を有する患者にのみ検出されることが知られている。 平成10年度においては,歯周病が抗GAD65抗体の産生にどのように関わっているかを調べるため1)培養歯肉および歯根膜線維芽細胞におけるGAD65の発現をRT-PCR法で調べた。2)増幅cDNAとGAD65の相同性を増幅cDNAの塩基配列から調べた。3)歯周病患者63人,IDDM17人,そして全身疾患を有さない63人の血中抗GAD抗体価をRIA法で測定した。 結果は1)RT-PCRによって683bpのGAD65と考えられるmRNAを歯肉および歯根膜線維芽細胞が発現していた。2)RT-PCRにより増幅されたcDNAはGAD65と99.8%の相同性を有していた。3)2人(3.2%)の歯周病患者と11人(64.7%)のIDDM患者で抗GAD抗体を検出した。 以上より歯周組織構成線維芽細胞はGAD65を産生し,歯周病患者において抗GAD抗体を検出する事実は,歯周病が抗GAD抗体産生に関わっている可能性と,IDDMの診断や発症予知に影響を与える可能性を示唆すると考える。
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Research Products
(2 results)