1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織の再生における線維芽細胞の表現型の変化に関する研究
Project/Area Number |
09771623
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安部 達也 九州大学, 歯学部, 助手 (80271112)
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Keywords | 線維芽細胞 / アルカリホスファターゼ / 歯肉 / 歯周炎 |
Research Abstract |
歯周炎罹患歯肉に存在する線維芽細胞は健常歯肉のそれと異なり強いアルカリホスファターゼ(ALP)を発現している。そこで、歯肉線維芽細胞にALPの発現を誘導する因子について調べた。ヒト健常歯肉由来の線維芽細胞の培地から血清を除去すると、一部の細胞はアポトーシスを起こし、他の細胞は生存してALP活性とその蛋白を発現した。血清含有培地に増殖因子のアンタゴニストであるsuraminを添加するとALPの発現が見られた。無血清培地にPDGFやIGF-Iを添加すると細胞は増殖し、ALPの発現が抑制された。ALP陽性細胞は無血清培養条件下で長期間(6週)生存し続けた。以上の結果から、血清あるいは増殖因子の欠如はヒト歯肉線維芽細胞にALPの発現を誘導することが証明され、ALPの発現は細胞増殖と負の相関性を示すことがわかった。
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