1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771637
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
横田 光弘 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (70281285)
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Keywords | 歯の動揺度 / 共振周波数 / 外傷性咬合 |
Research Abstract |
歯の動揺度を用いた外傷性咬合の診査の一助とするために,人為的に付与した外傷性咬合と動揺度の変化との関係を検討する実験系を立案した。 しかし,外傷性咬合の為害性はプラキシズムが合併することで極めて増大するとされているため,睡眠中に生じる咬合性外傷を考慮する必要がある。そこで本研究では,まず睡眠前後の歯の生理的動揺度の変化を知ることを目的として,動揺度の測定を行い,さらに臨床的な咬合接触状態,歯槽硬線の状態との関係についても検討した。 被験者は24-39歳(平均28.6歳)の9名とした。被験歯は正常歯周組織を有する上顎小臼歯24歯とした。 臨床診査として咬合接触状態,機能的動揺度,X線写真上の歯槽硬線の肥厚を診査した。 歯の動揺度は歯と歯周組織の共振周波数から判定した。測定は,まずペリオテスト(]CP○(1)R〔〕(SIEMENS)を用いて被験歯頬側面を槌打し,舌側面に接着した圧電型加速度計から減衰波形出力を導出した。得られた減衰波形をフーリエ変換し,共振周波数を求めた。 共振周波数の測定は睡眠前および起床後のそれぞれ1時間以内に行った。 その結果,1.29.2%の被験歯が睡眠前と比較して起床時に共振周波数が増加(動揺度が減少)し,33.3%の被験歯が起床時に共振周波数が減少(動揺度が増加)した。2.覚醒時の咬合接触,動的動揺度,歯槽硬線の肥厚と睡眠前後の共振周波数の変化との間には明確な関係が認められなかった。 これまで,起床時の歯の動揺度は睡眠前と比較して増加すると報告されており,これは睡眠中では咬合接触の機会が少ないためであると考察されているが,本研究結果から起床時に動揺度が減少する例も多く存在することが示された。さらに,臨床診査結果と睡眠前後の共振周波数の変化との間には明確な関係が認められなかったことから,睡眠前後の歯の動揺度の変化には睡眠中特有の咬合接触が関与していることが予測された。
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Research Products
(1 results)