1998 Fiscal Year Annual Research Report
難治性根尖性歯周炎における一酸化窒素合成酵素の遺伝子発現及び同疾患の治療薬の検討
Project/Area Number |
09771647
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
武市 収 日本大学, 歯学部, 助手 (10277460)
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Keywords | 一酸化窒素 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / 難治性根尖性歯周炎 / Polphylomonus gingivalis / LPS / インターロイキン1β / インターフェロンγ / L-アルギニン誘導体 |
Research Abstract |
本研究では、排膿の止まらない難治性根尖性歯周炎の病態を把握する目的で、炎症性細胞による一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)合成能に関する検討を行った。昨年度は、患者から採取した根管滲出液および歯根嚢胞と診断された患歯の根尖部病巣組織を試料とし、一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)の産生および誘導型NO合成酵素(inducible NO synthase:iNOS)タンパクの産生ならびに同遺伝子発現を確認した。今年度は、歯周病原菌であるPolphylomonus gingivalisからLPS(P.g-LPS)を抽出し、炎症性細胞に刺激を加えたのち、NO合成阻害剤の効果を検討したところ、以下の結果を得た。 1.Polphylomonus gingivalisから、LPSを温フェノール法により抽出し、SDS-PAGE上で分子量の確認を行った。 2.患者から分離した末梢血好中球および単核細胞を、P.g-LPSで刺激したところ、NOの産生を認めたが、その産生量はEsherichia coli由来LPSで刺激したものよりも低い値を示した。また、この培養系に、インターロイキン1β(IL-1β)とインターフェロンγ(IFN-γ)を添加することにより、NOの産生量は増加した。 3.中和抗体(抗ヒトIL-1βおよび抗ヒトIFN-γ抗体)を上記培養系に添加したところ、NOの産生は低下した。 4.L-アルギニン誘導体を用いて2.の培養系に添加したところ、NOの産生は低下した。 以上のことから、難治性根尖性歯周炎の局所で産生されるNOが、炎症を増悪させる一因子であることが示され、L-アルギニン誘導体が治療薬として応用できる可能性が示唆された。
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[Publications] O.TAKEICHI et.al: "Cytokine regulation on the synthesis of nitric oxide in vivo by chronically infected human polymorphonuclear lencocytes" Immunology. 93・2. 275-280 (1998)
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[Publications] O.TAKEICHI et.al: "Production of human-inducible nitric oxide synthase in radicular cysts" Journal of Endodontics. 24・3. 157-160 (1998)