1997 Fiscal Year Annual Research Report
副甲状腺ホルモンによる骨シアロタンパク質の転写の調節
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09771650
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (90204065)
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Keywords | 骨シアロタンパク質 / 細胞外マトリックス / PTH / 遺伝子プロモーター / 組織特異性 / 分子生物学 / 石灰化 / 転写因子 |
Research Abstract |
1.骨芽細胞培養系(ROS17/2.8骨芽細胞様細胞)にヒト1-34副甲状腺ホルモン(PTH;10-^8M)を添加後,RNAを抽出し,ノーザンブロットを行った結果,PTHは添加3時間後にmRNAの発現を約5倍に増加させが,6時間後には約2倍にまで低下した.PTH添加12時間後には再び約5倍に増加し,その後徐々に低下するという2相性の促進が認められた.また,PTHの効果がmRNAの安定性に関与するかどうかを,mRNA合成阻害剤を用いて検討したところ,PTHは安定性には影響しないことが明らかになった. 2.ルシフェラーゼベクターに,種々の長さに調節したプロモーター遺伝子を挿入し,骨芽細胞様細胞(ROS17/2.8cells)の中へDEAE-dextran法にてトランスフェクションを行い,PTHで刺激したところ,BSPのプロモーター約116塩基上流を含むコンストラクトでルシフェラーゼ活性の上昇が認められた.BSPプロモーター約116塩基上流にはサイクリックAMPレスポンスエレメント(CRE)および下垂体特異的転写活性化因子(pituitary-specific transcription factor-1;Pit-1)結合配列に類似した配列が存在したが,Pit-1配列の上流約半分を欠失したコンストラクトではCRE配列を含んでいるにもかかわらず,PTH刺激でルシフェラーゼ活性の上昇が認められなかった。以上の結果より,BSPプロモーター中のPit-1に類似した配列を介してPTHによる転写の調節が行われていると考えられた. 3.BSPプロモーター中のPit-1配列をアイソトープで標識し,ゲルシフトアッセイにて核内タンパク質との結合性の検索を行った結果,Pit-1配列とROS17/2.8細胞核内タンパク質との複合体が観察された.さらにPTH刺激により核内に存在するPit-1配列結合性の転写因子が減少することが明らかになった.この結果は,PTHによるBSPの転写の調節は,Pit-1配列に結合する核内転写因子が減少することにより行われていることを示唆していた.
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