1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771657
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
二瓶 智太郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50237781)
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Keywords | コンポジットレジン / シランカップリング / 耐水性 / 引張強さ / 吸水性 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき,シラン処理剤の調製は,各混合処理剤ガラス面に対するコンポジットレジンの接着強さの結果(日本歯科保存学雑誌第39巻,P218-226,1996.)と同様に行い,各混合処理剤および3-MPS単独処理剤により,シリカフィラーのカップリングを施し,フィラー含有率80wt%になるようにベースレジン(Bis-GMAとTEGDMA)と混合し,さらに重合触媒にカンファーキノンを配合し,光重合型コンポジットレジンを作製した.試作コンポジットレジンの水中保管およびサーマルストレス後の引張強さ,吸水量,表面硬さ,表面粗さ,および接触角の測定を行った結果, 1.引張強さは,3-MPS単独処理と比較して,1F/3-MPSが30,000回のサーマルストレス後でp<0.05,4F/3-MPSにおいては28,90日水中保管後でp<0.01,サーマルストレス後でp<0.005と有意に高い値を示した.また,1F/3-MPSと4F/3-MPSは水中保管期間の延長およびサーマルストレスを与えてもp<0.05で有意な低下は認められなかった. 2.吸水量,表面硬さ,表面粗さ,および接触角は,3-MPS単独処理群と各混合処理群間で経時的に伴う有意な差は認められなかった. 以上より,現在のところ3-MPSに1Fを40%,4Fを20%添加した混合処理剤でカップリングしたフィラーを用いたコンプジットレジンは,コンポジットレジン硬化体表面を改質することなく,カップリング層の耐加水分解を向上させたと示唆された.
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